中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4253回
安徽省に日本の食品加工センターはいかが?

上海や南京からもあまり遠くない安徽省の江南地区
(ここには近く九華山という飛行場ができます)
に省政府が中心になって、
日本の食品加工団地をつくる計画を建てています。
急速に成長している中国では
食品の衛生問題に対する不信感が強く、
その分だけ日本の食品メーカーに対して絶大な信頼感があります。
ですから日本の有名食品メーカーを一カ所に集めて、
食品の加工をすれば、13億のマーケットに売ることもできれば、
日本に輸出することも可能と考えているのです。

その原料になる野菜や果実を栽培する土地に囲まれているので、
大規模農業を自営することもできるし、
周辺の農家を指導して原料の提供を受けることもできます。
たとえば日本でつくられている苺を、
一手に買ってもらえることがわかれば、
その下請けをしてくれる農家はいくらでもあります。

また豚や牛の大量飼育からはじまって
有機農業を大規模に展開することもできれば、
周辺に原材料をつくらせて、その加工をすることも可能です。
安徽省は急速に工業化がすすんでいますが、
工賃が安く容易に人が集められるのと、
周辺に5億人の人口が密集していて市場が大きいことで、
食品加工場を日本からここへ移せば、
コストダウンになるだけでなく、
新しいマーケットが開発できる可能性が大きいのです。

今回の安徽省江南産業集中区からの視察団一行5名の方は
いずれもはじめて日本の土を踏む人たちなので、
日本人の礼儀正しさにはとてもびっくりしていました。
何しろ中国では赤信号でも平気で道を横断するし、
自動車は行列を無視して混雑している中に割り込みます。
しかし、もっと私たちをびっくりさせたのは秋葉原に行くと、
メイド・イン・チャイナの電気製品には目も向けませんが、
メイド・イン・ジャパンとなると、
「そこにあるだけ」という買い方をすることでした。
農業の分野でもそういうことになるといいですね。


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2011年11月1日(火)

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