中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4274回
デモクラシーも終わりに近いのでは

増税をする前に議員さんの報酬を
只にしたらどうですかと私は提案しましたが、
私の提案に賛成してくれる議員さんがいないことは
はじめからわかっています。
議員さんだって国からもらう報酬で生活をしているのだし、
当選して議員の資格を保つためには
それなりの支出も必要なことは誰だって知っています。

でも今の形で国の予算を運営して行けば、
そのうちに行きづまることは目に見えています。
現に日本の国の借金はイタリアよりも多いのですから。
どうしてそうなったかというと、
議員さんに当選するためには
選挙民に喜んでもらわなければならないし、
そうなるとお金をばらまくような政策に傾いてしまうからです。
その後遺症が先ずアメリカから、
続いてユーロの国々で次々と発生し、
ヨーロッパではじまったデモクラシーが
そろそろ終わりに近づいたと見ていいのではないでしょうか。

もちろん、その前に中近東の独裁国家の問題もあります。
しかし、三権分立のデモクラシーにも
そろそろ終焉が来ているのではないでしょうか。
今のような選挙制度で議員さんを選ぶと、
テレビで人気のあるタレントとか、
徒党を組んで予算のぶんどり合戦に巧みな人が
地位や勢力を得ることになります。
その結果は「入るを図って出ずるを制する」
会計を無視した歳出を続けることになって、
デモクラシーそのものに大きなひびが入ってしまうのです。

ですから国の政治は無報酬でもつとまるだけの
社会的に既に成功した人に任せて、
お金の出し入れを決めてもらうシステムに変えたらどうでしょうか。
世の中には月給を払う人と月給をもらう人と
2種類の人しかいません。
月給を払う人で功なり名をとげた人は無報酬でも、
どうすれば国民全体に月給を払うことができるか、
そのためのお金を捻出する方法を考えます。
そういう人に只で働いてもらう抜本的な方法でもとらなければ、
赤字のくり延べをするだけで、
やがて増税また増税のくりかえしの中を
私たちは生きることになるんじゃないでしょうか。


←前回記事へ

2011年11月22日(火)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ