中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4273回
アジアの株価はやがて独自の動きに

最近の国際的な株価の動きを見ていると、
日本の株価はまだニューヨークの株価に
「右へならえ」になることが多いようですが、
香港や中国の動きは必らずしも足並みをそろえなくなりました。

ギリシャの次はイタリアと新聞の大見出しになっても、
ユーロの悪いニュースは際限もないし、
それによって世界中がいつまでたっても
「曇後雨」というわけでもありません。
国慶節の休みの人の動きや物の売れ方を見ても
中国とヨーロッパでは大きく違うし、
インドやロシアだって、ヨーロッパとは違います。
それぞれの地域によって農作物の収穫に違いがあるように、
物の売れ方にも違いがあります。
同じアジアの中でも、中国と日本では
デパートに入る人間の数はまるで違うのです。

そうした違いを無視して、
株価が情報伝達の早さを反射的に反映するのは、
お金を扱うビジネスの世界だけのことではないでしょうか。
確かにお金の貸借をビジネスにしている業界では、
イタリアの国債やギリシャの国債を
アジアの銀行が保有しているのは珍しいことではありませんから、
ユーロが暴落したりすれば、香港の香港上海銀行や
中国系の銀行の株価さえ冴えない動きになります。
しかし、それはかかわりのある金融業界に起る現象であって、
食品業界やリサイクル業界とはほとんど関係がありません。

ですからユーロの不調が長く続くと、
株式市場だって次第に鈍感になって別の動きになります。
私はやがて香港や中国株が
「ニューヨークへ右へならえ」をやることを
やめる時が来ると信じているので、その目で見ていると
最近はそういう動きが時々目につくようになりました。
恐らくあと半年もすれば、
それが誰の目にもはっきり映るようになるのではないでしょうか。
半年では長すぎるとイライラする人もあるでしょうが、
ユーロの金融不安は重症ですからしばらくは忍耐が必要です。


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2011年11月21日(月)

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