中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4288回
日本企業の進出がふえています

昨日は中国で大規模農業をやりたい人と、
食品加工の事業に従事したい人に呼びかけましたが、
これは既に日本国内でそれなりの農場経営をしていて、
原発の影響を受けて
これからどうしようかと思案している人にとっては
またとないチャンスです。

しかし、問題は農業にだけ起っているわけではありません。
日本が老齢化社会に入ったことと、円高が続いていることで、
日本の産業界はいまのまま国内で
工業生産を続けることが困難になっています。
折角、完成品工場を中国やタイやあるいは
最終消費地であるアメリカやヨーロッパに持って行っても、
肝心のパーツが羅災地にあっただけで
生産がストップしてしまいます。

それも東北地方だけでなく、
洪水に見舞われたタイでも起るとなると、
世界的規模で発想の転換が必要になります。
円高と天災の双方から攻められて、
日本の多くの事業が重い腰をあげて
漸く世界的規模で物を考えるようになり、
私が中国事業の基地にしている北京でも
日本企業が次々と乗り込んでくるようになりました。

TPPにも反対するくらいですから、
一番対応ののろいのは農業ですが、
工業生産も業種によって早い遅いの違いがあります。
それに比べると流通業とサービス業は
経営者の感度と関係がありますが、
日本国内の不景気が長期化する方向にあるので、
最近はレストランのチェーンからすし屋まで、
日本企業の進出が目立つようになりました。

これはこれで時代の流れだと思いますが、
日本人経営のレストランはできたと思ったら、
あッという間に姿を消す店が少くありません。
中国の商習慣や法律に無頓着な人が壁に頭をぶっつける姿は
想像するだけでも胸が痛みます。
何とか相談に乗ってあげるプロの事務所か、
先輩がいないものでしょうか。店を借りるのだって、
契約書のつくり方だって日本でやるのと同じじゃないのですから。


←前回記事へ

2011年12月6日(火)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ