中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4289回
どんな条件で店を借りていますか

日本でレストランを経営していた人が
中国に進出して新しく店を持つとか、
職人上がりの人が店をひらくことがふえています。
そのためには先ず店を借りる必要がありますが、
場所を探がすのは不動産のブローカーに頼めば
それなりの場所は何とか見つかります。

家賃や保証金や賃貸期間などの条件は何とか折り合いがつきます。
問題は契約期間が完了したあとの再契約です。
賃貸期間が2年とか3年で、
それが終る前にこちらが店をやめる場合は、
大抵、その旨合意がありますから
その通り店を空ければ問題はありませんが、
再契約をする場合、中国の家主は例外なく強欲で、
予想もしないような値上げを吹っかけてきます。

こちらがまだビジネスが軌道に乗ってもいないのに、
倍ならましな方で、3倍とか、
時にはそれ以上の値上げを要求するのは珍しくありません。
とりわけ人の集まる繁華街にある店の場合は
必らずと言ってよいでしょう。
私たちは雲南省の山の中でコーヒーの栽培をしているので
北京市内の然るべきところに
何軒かコーヒー・ショップをひらいたことがあります。

そして、一軒の例外もなく、途方もない賃上げを要求されて
店じまいをしてしまいました。
3倍とか4倍の賃上げを要求されて、
裁判所に訴えても受けつけてもらえません。
社会主義市場経済を看板にしているというのに、
人民共産国では家主の肩を持って
テナントの哀求には一切耳を傾けないのです。

日本人はそういうことを知らないのが普通なので、
中国に進出した店は大体、一期で店じまいになってしまいます。
それを防ぐ方法は契約満了後も
1割とか2割以上は値上げをしないことを
契約書の条件に予め書き込むか、
デパートやスーパーのテナントとして
歩合で家賃をは払っている場合に限ります。
さて、あなたの店の契約はどうなっていますか。
もしそうなっていない場合は
一回切りの賃貸契約で店じまいになることを覚悟して下さい。


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2011年12月7日(水)

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