中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4296回
証券会社の株も敬遠した方が

お金でお金を儲けるビジネスにもう1つ
証券会社というのがあります。
証券会社は基本的には株に投資して
お金を儲ける人たちの売買の手伝いをする仕事ですが、
自分たちの会社でも株の売買をするし、
お客の資金を集めて投資の代行をするビジネスもやっています。

投資家と一番近い位置にあるので、
株が活気づいて取引の多い時は
それ相応に利益もあげて株価も値上がりをします。
ですから株式市場が好景気に向う時は「証券会社の株は買い」
ということになります。
日本でも香港でも中国でも
「証券会社の株は買い」という時期がありました。
野村の株が5、600円だった時に私は日本の好景気を予想して
「野村は買い」とすすめたことがあります。
そうしたら本当に3000円まで値上がりしました。

それが今はたったの300円です。
もし証券会社の人が相場に対して正確な判断ができているなら、
3000円の株が300円まで売られるわけがありません。
投資銀行の人も証券会社の人も、
人からプロと見られていますが、
プロでも曲る時は大曲りに曲るのです。
ですから株をやる人はプロにきいてはいけません。
私には「株をやる人の3原則」というのがありますが、
その第一条は「証券会社の言うことをきくな」です。
50年あまり前に考えたことですが、
今もそのままあてはまるところを見ると、
人間はプロになれば人より利口になるということはないのですね。

というわけで、
株もお金でお金を儲ける商売の1つですから、
いまは近づかないにこしたことはありません。
私もそれを知らないわけではありませんが、
人にきいて損をするわけではなくて、
損をしても懲りずにやるのですから覚悟はできているのです。
ただいくらチャンピオンが入れ替っても
株式市場は生き残っているのですから、
懲りずに次のチャンピオンに挑戦するということです。
この文書を読んで下さっている方も、
もしかしたら損に懲りない生命知らずかも。


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2011年12月14日(水)

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