中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4301回
資源にも次々と入れ替わりが

私は次は皆が資源に注目するようになるだろうと言いましたが、
一口に資源と言ってもいくら需要がふえても
やがて間に合うものもあれば、
時代によって敬遠されたり、人気を失うものもあります。
私の子供の頃はアルマイトの弁当箱が珍しかったし、
ステンレスに目をパチクリされました。
それが普及すると人から忘れられる存在になり、
アルミの会社などどこにあるのかさえ忘れられてしまいました。

また電力はエネルギーとして
恐らく石油よりももっとずっと重要な存在でしょうが、
不足してはじめてその重要さが認識されます。
それがありあまるようになると、
電力株に注目する人さえいなくなってしまいます。
中国でも産業が猛烈な勢いで発達しているのに
電力が不足して節電を強いられた時代には
電力株が注目を浴びましたが、いまでは電力株より
供給の不足勝ちな石炭株に関心を持つ人がふえています。

日本だって、原子力発電に事故が起らなければ、
恐らく電力株の存在なんか
忘れられる存在でしかなかったでしょうし、
また電気自動車がふえなければ、
自動車の電池に注目が集中しなかったでしょうし、
また車体の鉄板よりは
銅の消費量に産業界の関心が集まることはなかったでしょう。

同じことですが、
ガソリンより電力の需要の方がふえる方向にあれば、
かつて石油産業に向かっていた開発意欲は
太陽熱の利用や風力に向きますから、
産業界の動きも大きく変わります。
そういう変化があッという間に
産業界の方向や浮沈を左右しますから、
一口に不足する資源に目を向けよと言っても油断はなりません。

皆で次は銅だよと言っても、
銅の不足がいつまで続くかはわかりません。
現に私も「金を買うよりは銅だ」と今は思っていますが、
はたしてそれがいつまで続くかどうだかわかりません。
というわけで不足する資源は常に投資の対象ですが、
資源に対する需要の変化は次々と起ります。
ならば天然資源より私たちが日常生活に必要な
生活資源の方がもっとずっと重要だということになります。
水とか食糧とか、生活に必要な
日用品のリサイクルということになります。


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2011年12月19日(月)

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