中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4313回
さあ、しっかり手すりにつかまって

いよいよ大晦日になりました。
昔は1年ためた借金の取り立てをする最後の日でしたが、
いまは借金の決済はカードですんでしまいますから、
紅白歌合戦を見るか、除夜の鐘を
それもテレビできくくらいのことでしょうか。

正月の挨拶まわりがわずらわしいので、
自分が挨拶に来られる側にまわってからは、
もう何十年も日本にいないようになってしまいました。
ことし1年は大へんな年で、3月に東北で大地震があり、
原発の影響で1年が明け暮れてしまいました。
その上、アメリカ国債の格下げからはじまって、
ユーロの金融不安が続き、問題の先送りとくり返しで
新しい年を迎えようとしています。

株は大下がりに下がって、
全部合わせても高値の半分あったらいい方じゃないでしょうか。
自分の持株を時価で計算する習慣を持った人は
冴えない顔付きになりますが、
中国株を持っている人で、毎日、
日本円に換算しないと気のすまない人に至っては
生きた心地もない人もあるのではないでしょうか。

でも今はアメリカに停泊していた船が
旧金山を出航してアジアに向う路上で嵐にあっている所です。
大揺れに揺れていますが、船が沈むわけでもなければ、
嵐が永久に続くわけでもありません。
嵐だって荒れ続けるうちにくたびれてしまいます。
ですから、船の手すりにしっかりつかまって、
海に落ちないようにしておればいいのです。

但し、行き着く先が天国というわけには行きません。
来年は中国の総統が交替する年でもあるし、
長年続いた貿易黒字のツケがまわってきて、
お金の貯めすぎから起った矛盾で異常気象が
中国に近づく動きも見られます。
ですから、「天気清朗なれど波高し」くらいの覚悟は
必要なのではないでしょうか。

元気であることが何よりで、
お金くらい世の中の動きを正しく判断できれば、
まだいくらでもチャンスがあります。
ではいい年をお迎えになって下さい。


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2011年12月31日(土)

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