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第4342回
台湾の総統再選は国民党が僅差で

台湾の総統選挙で馬英九さんの続投が決まったので、
台湾海峡が大嵐に見舞われないですんだことは
皆さん、ご承知の通りです。
でも大陸と仲良くすることに反対投票をした人が
選挙民の半数近くに及んでいるのですから、
そして、それにも拘らず選挙が平穏無事にすんでいるのですから、
かなり見習っていい面があるのではないでしょうか。

日本の選挙では選挙演説をききに行く人が少く、
仕方がないので票を入れてくれる人に声をかけて
ききに来てもらっていますが、
台湾では人気のある人が立候補する時は、
台北でも高雄でも選挙演説をきくために
50万人の人が広場に集まると言われています。
それでも取っ組合いにならないですんでいるのですから、
アラブの国などとレベルが違います。

しかし、もしこれと同じことが
中国で起った場合はどうするかということになると、
孫文もケ小平もまだ少し早すぎるんじゃないかと
首を振っていました。
そうした台湾の光景が中国のテレビに映り、
また4億もあると言われているパソコンでも見られるとしたら、
中国人がどんな目で台湾の選挙を見ているのか、
考えただけでも頭の中が忙しくなります。

ですから20何年前、
台湾と中国大陸との交渉がはじまった時、
私は「台湾の方が17、8年も先を走っているので、
台湾をモデルにすることは多いのじゃないか」
と北京で講演したことがありました。
その時「じゃ17、8年すれば追いつきますか?」
と質問を受けましたので、
「もしその間台湾がずっと居眠りを続けていたら」
と答えて爆笑を買いました。
眠っているように見えても、
日本でも台湾でも少しずつは進歩しているのです。
この差を埋めるよりもこの差をよく研究して見習う方が
役に立つのではないでしょうか。
テレビやパソコンや携帯電話で後を追いかけている中国が
次の10年にどうなるのか、
好奇心を沸騰させる人は多いのではないでしょうか。


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2012年1月29日(日)

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