中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4359回
中国にしゃぶしゃぶを食べに行きましょう

日本で羊を食べる時はわざわざ北海道までとんで行きます。
北海道のジンギスカン鍋の羊肉には
輸入羊肉のような変な匂いがないからです。
今は少しは改善されているかも知れませんが、
輸入羊肉を敬遠する人が多いのは、
あの独特の臭みに辟易する人が多いからです。

その点、北京の東来順に行って、
しゃぶしゃぶを注文してもあの匂いに出会うことはありません。
中国でも羊肉は北京よりずっと遠い所から運んでくるので
冷凍車を使っていると思いますが、
冷凍羊肉独特の匂いがしないところを見ると、
匂いができるまで冷凍庫の中で眠っていないからでしょうか。

私は北京にも自分の家があって、
冬になるともうかれこれ20年も東来順にかよっていますが、
このレストランは今も国営で
ほとんど経営改善のあとが見られないので、
すっかり見劣りするレベルにおちてしまいました。
それでも羊肉の味が昔と変わらないのと
値段がそんなに高くなっていないので、
気温が零下の季節になるとよく食事に出かけます。
しゃぶしゃぶには本当は潮州料理に似た魚丸(魚肉のダンゴ)が
羊肉に負けないくらいよく合うのですが、
魚肉はコストが張るせいか、
今や全く下手物になってしまいました。

幸にも羊肉には昔ながらの味が残っているので、
何とか常連から見捨てられないですんでいますが、
或る時、銀川に行って屠殺場の1つに案内されたら、
「うちが東来順に羊肉を供給しているんですよ」
と説明を受けました。
「銀川で羊肉の仕入れをすれば、
東来順くらいのしゃぶしゃぶ屋はできるんだ」と
その時、納得が行きました。

そうした眼で、北京や上海だけでなく、
全国に急速に展開されているしゃぶしゃぶ屋を見ていると、
内モンゴルや寧夏回教自治区や新疆ウイグル自治区が
そういつまでも
いまのまま放置されていることはないことがわかります。
今まで中国は工業化に全力を集中してきましたが、
次の10年は食糧不足の時代に突入しますから、
別の角度から中国の産業を見直す必要があるのではないでしょうか。


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2012年2月15日(水)

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