中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4393回
ローン返済の三年延期で対応も

もう中国では不動産の値下がりがはじまっています。
温州で産業界のトップが夜逃げをしたり、
跳び下り自殺をしているのを見てもわかります。
中国じゅうで一番投機師の集まっているのは温州で、
その温州でトップの首がまわらなくなったのですから、
中国じゅうで何がはじまろうとしているか、
おわかりになるでしょう。

私は時間があると中国じゅうをあちこち駈け廻っていますが、
地方都市にも30階建の高層ビルが
2、3年前から林立するようになって、
それがガラ空きになっているのが目につくようになっています。
その大半が地方都市の借金か保証によって支えられているので、
いつそれが表面化するか、ずっと見守って来ました。

ことしは共産党のトップが入れ替る時期でもあり、
こういう時は「事無かれ」が最優先しますから
問題が発生しても先送りになります。
そう考えたので、
バブルが発生するとしても2013年から後のことではないかと、
昨年の時点で予想しましたが、
ピンチは何も中国だけの問題ではなく、
ユーロの方がもっと大問題ですから、
それほど世間の注目を浴びてはおりません。

今のところ、
考えられる対策は不動産の一段の暴落がはじまって、
ローンの支払いが停頓しても、
国が返済不能な人たちに返済の延期を、
たとえば3年にわたって実施するといったことを考えています。
そうすることによって一時期的にせよ
不良債権の発生を食い止められたら、
何しろ人手不足が表面化して
賃上げが続くことが見込まれているので、
バブルの発生は軽症ですむのではないかと期待されているのです。

はたしてそうなるかどうかは今の時点で何とも言えませんが、
中国は今後10年、内需がふえる方向に向っているので、
日本のような目にあわされないですむのではないか
という期待もあるようです。


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2012年3月20日(火)

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