中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4395
シャッター通りの向うに新しい産業が

この20年余り中国の経済発展に心を奪われて、
中国にばかり目を向けてきたので、
日本の地方都市をすっかりお留守にしていました。
とりわけ円高の影響もあって、
地方都市にある工場が閉鎖されて
次々と海外に移るのが目立ったので、
「地方の時代は終わった」というバカの一つ覚えが
私の頭にこびりついて離れませんでした。

ところが最近、中国の成長経済も一段落して、
いつバブルがはじけるかというところまで来てしまったので、
「中国、この次はどうなる?」というテーマを追っかけているうちに、
バブルがはじけたあとの日本はどうなったのかが気になって、
ほとんど20年ぶりに日本の地方都市を
改めて見てまわる気を起しました。
日本が辿ったあとを、もしかしたら中国も辿るのではないかと
考えるようになったからです。
そうした目で見ると、
日本の地方都市は形骸化してシャッター通りになった面もありますが、
そうした中で生き残りを図って
死物狂いの奮闘をしている地元産業もあるのです。
一口に地方都市の商店街と言っても、昔の商店街と
その後に郊外につくられたショッピング・センターがあって、
商店街は昔ながらの店が並んでいますが、
物の見事にどの店もシャッターが下りていて、人通りがありません。
たまに歩いている人を見かけると、お年寄りか、
女の人がそれも一人歩きで、買物籠すら下げていません。

もう一つのショッピング・センターの方は
自動車の走る通りに面していて、
建物は町の人口に不釣合いなくらいスケールが大きく、
全国的に名の知れた衣料品店や洋服屋のほかに
パチンコ屋とゲーム・センターが軒を並べています。
こんなにお金をかけても大丈夫かと
こちらが心配になる大きな店が店晒しになっているのです。
これで一巻の終わりだと私は思っていましたが、
そうした中で生き残っている新しい地元産業があることに
最近になってやっと気がつきました。


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2012年3月22日(木)

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