中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4401回
中国にも改良、改善の大波が

改良とか、改善とか言うのは
自動車だけに必要なことではありません。
日本には国有の文化というのはなく、
ほとんどすべての生活用文化は海外から持ち込まれたものです。
着物だって、お茶だって、
日本人は日本固有の文化だと思っていますが、
少し前まで着物は呉服(呉の国の服)と呼んでいたし、
茶の湯の抹茶だって
遣唐使として唐の国に派遣された坊さんたちが持ち帰ったものです。

でも「夏でも小袖」とか、
お茶を口に入れるまでくるくると茶碗を廻わす習慣は、
日本に入ってから日本人によって改良改善されたものです。
カステラだって、ラーメンだって
日本人が発明したものではありません。
いずれも日本に持ち込まれてから、
日本人によって改良されて再輸出されたものです。

そのプロセスで何が起ったかというと、一口で言えば、
「合理化された」といってよいでしょう。
と言っても、ここをなおせば、
もっとよくなるということもあれば、
お金の倹約になるということもあります。
また不良品が減るとか、修理の必要がなくなるということもあります。
お客の要求に合わせて、品揃えをしたり、配達をしたり、
営業時間を合わせたりといったサービスの向上もあります。
たとえ他所の国から輸入されたものであっても、
一度び、日本人の手にかかると、採算に乗る商品に早変わりし、
そのおかげで日本人の飯の種になっているのです。

今までそれは日本人が日本国内にいて
メイド・イン・ジャパンに反映されることができましたが、
グローバル化がすすんで世界的な規模で対応しないと
やって行けない時代になると、
世界的な視点で解決しなければならなくなります。
現にこれからの中国で起ることは
20年あまり前に日本で起ったことに似ています。
合理化、オートメ化、サービス化はこれから10年あるいは20年、
中国の新しい産業界で最も実用性のある基本ルールだと思いませんか。
低成長下で企業が生き残りを図るためにも。


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2012年3月28日(水)

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