中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4424回
飲食店の経営は本当に難しいですね

何か自分でやれる仕事がないかと考えて、
真っ先に頭に浮んで来るのは食べ物商売です。
コーヒー・ハウスとか、高級レストランとか、
お金とヒマがあったら、ちょっとたちよって見たくなる店は
如何にもカッコよく見えるし、
こんな店を持っていたら毎日が楽しくなるんじゃないかと
つい思ってしまいます。

私は雲南省のコーヒー・ベルトでコーヒーの栽培をしているし、
ヨーロッパで中国産としてははじめての賞ももらいました。
現にコーヒー・ハウスも何軒か経営しています。
スターバックスやドトール・コーヒーのように
全国チェーンを展開できればと思って
「コーヒー店やりたい人いませんか?」と募集をかけると
山ほど反応があります。

でもコーヒー・ハウスは見かけはいいけれど、
とても難しい商売の1つで、
駅前の立ち飲みコーヒー店は別として
1日に100杯売るのだって容易なことではありません。
ましてケーキやサンドウィッチまで注文してもらうとなると、
家賃を払うのがやっとで、
すぐに辞めていなくなってしまう従業員に支払う月給にも
事欠くようなことが珍しくありません。

それがフランス料理やイタリア料理ということになると、
自分でオーナー・シェフをやるなら別ですが、
料理人でオーナーがつとまるような才覚を持った人は
10人に1人もおりませんから、
オーナーになった人は料理人の給料を払うにも
事欠くことが珍しくありません。
それでも新しく店をひらいた時は、珍しいということもあって、
いくらかでも人が集まります。
親しい友人やビジネスの相手も集まってくれます。
でもそういう人はいつまでも常連でいてくれませんから、
開業して3ヶ月のお客の入りはあてになりません。

本当にお客がつくかどうかは3ヶ月すぎてからが勝負です。
「フランス料理は1000軒ひらいて残るのは10軒ですよ」と
懇意にしているフランス料理のオーナーから
こぼされたことがあります。
それほど難しいのがレストランの経営なのです。





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2012年4月20日(金)

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