中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4423回
レストランは因果な商売ですね

「レストランをひらく人は何のためにひらくか知っていますか?」
と時々、冗談まじりに人にきくことがあります。
「そりゃお金儲けをするためですよ」
と答える人もあれば、
「好きだからやっているのですよ」と答える人もあります。
いずれも間違っているわけではありません。
でも私の答は
「人は閉めるためにレストランをひらいているのですよ」です。

「じゃ何のために僕たちに店をひらかせているのですか」
と私に言われてレストランの経営をしている
うちのスタッフたちに反論されます。
「難しい難しい」「うまくやっても大したお金にはならない」
と言いながら、私がお金を出したり、
株主になってあげたレストランやコーヒー・ショップは
足の指も勘定に入れるくらいあるし、
現にまだ営業している店だって、
中華料理・イタリア料理・日本料理・焼肉店・シャブシャブの店・
コーヒー・ハウス等々十指では数えきれません。
大して儲かりもしないとはじめからわかっているのに、
それでも懲りずにやっているのは何のためかというと、
まあ、勉強のためとでも言ったらいいのでしょうか。

「私はね、友達を連れて食事に行くでしょう」
とうちのかみさんは言います。
「お金を払って車のある所まで戻ると、
お店のマネージャーが必らず
ロールスロイスを停めてあるところまで送って来て、
どうも有難うございましたと最敬礼してくれるんですよ。
それなのにどうしてお金も儲からない上に、
頭の痛いことが山ほどもある商売をやめないのですか」

言われて見れば確かにその通りで反論の余地は全くありません。
それでも頼まれると嫌とは言わずに、
ああやりなさい、こうやりなさいとアドバイスするし、
新しい建物を建てると、
レストランでもやるよりほかないスペースが必らず発生するので、
「こういう店をひらいたらどうです?」
という話になってしまいます。
レストランって何って因果な商売かと思いませんか。





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2012年4月19日(木)

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