知的財産ってわかりますか・中村佳正

無から有を生みたい人、必見

第9回
弁理士という職業

後回しになってしまったのですが、自己紹介を兼ねて、
弁理士という職業について簡単にご説明したいと思います。

「ご職業は何をされているのですか?」と聞かれて、
「はい、弁理士です。特許関係の仕事をしています」
とお答えすると、今でも「ベンギシさん?」とか、
「それって国家資格なんですか?」と聞き返されることがあります。
一方で、最近の学生の間では
知財職能に対する人気は非常に高いです。
例えば、あるメーカー企業では、
新入社員のうちの半分以上が知財部門を第1志望にするといいます。
弁理士という資格に対する興味も強く、
在学中に試験に合格される方も少なくありません。

従来、弁理士は、
特許庁に対する特許や商標などの出願を代理する
専門職という性格が強かったといえます。
出願そのものは弁理士を通さなくても個人で出願可能なのですが、
こうした出願の代理を生業としてよいとされているのが弁理士です。
ということは、個人で出願する場合よりも
良い事がたくさんなければ意味がないわけでして、
出願内容の検討から始まって、
権利化過程における出願人に対する様々なアドバイスを通して、
弁理士の大先輩方は
出願人との間に確固たる信頼関係を築いてきました。

近年では、これらの出願代理業務に加え、
不正競争防止法の一部を取り扱うことも可能になりましたし、
弁護士と共同でという条件のもと、
産業財産権および特定の不正競争防止行為に関する
侵害訴訟の代理を行うこともできるようになりました。
「知的財産立国化」に伴って
弁理士業務も拡大しつつある状況です。

さて、私が弁理士になろうと思った経緯ですが、
最初、企業(総合家電メーカー)に就職したときは、
データ圧縮や画像処理等の
ソフトウェア技術者(兼プログラマー)としての入社でしたので、
将来自分が特許部門に行くなど想像すらしていませんでした。

しかし、技術者というものは孤独な一面があり、
そうした生活を何年も続けるうちに、未熟な頭ながら
「将来このまま突き進むと、どうなるんだろう」
と一抹の不安を感じてしまうようになりました。
自分の実力不足を棚に挙げてよく言ったものです。
それで、生意気加減も度を越して、
「自分一人が一流の技術者を目指すよりも、
私などより遥かに優れた
百人の技術者とお付き合いしてく人生の方が、
きっと豊かに違いない」
などと勝手に自分に言い聞かせるようになり、
自らこちらの世界に飛び込みました。
さて・・・。知財畑を歩み出して、もう8年になります。
いよいよ磨きをかけて、
クライアントのものづくりやブランドの向上に
少しでもお役に立ちたいです。


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2007年9月8日(土)

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