知的財産ってわかりますか・中村佳正

無から有を生みたい人、必見

第51回
一流ブランドの資産価値は?

コカコーラ 7兆4000億円、
マイクロソフト 6兆7000億円、
IBM 6兆5000億円。
これらが何の数字だかわかりますか?

実は、米インターブランド社が試算した
企業ブランドの金銭的価値なのです。
冒頭の3社は、2007年世界ランキングの上位3社です。
ちなみに、上位10社の中に入った日本企業はトヨタ1社だけで、
その価値は3兆6500億円(第6位)。
お次の日本企業はというと、
ホンダの2兆500億円(第19位)になってしまいます。
他国の企業では、ノキア(第5位)、
メルセデス・ベンツ(第10位)、
BMW(第13位)などが顔を覗かせていますが、
現時点では、まだ米国企業の寡占状態のようです。

ところで、企業ブランドの資産価値は、
その時価総額などとは違うものです。
どうやって計算するのか、私にも詳細は分かりかねますが、
いくつかの仮説をもとに財務データなどから計算していくようです。
以前にもご紹介しましたが、
インターネットのドメイン名が
何十億円で実際に取引されるわけですから、
超一流企業のブランドそのものの価値となると、
1兆円を越えてもおかしくないのかもしれませんね。

しかし、ほんとうに
各社のブランドをその金額で換金できるのかといわれれば、
ある銘柄の株をその株価で全て(市場を出回っている株全てです)
換金することが現実的でないように、
その価格に普遍的な意味合いを求めることは難しいかもしれません。
もっとも、
同じ計算方法に基づいて試算された数値であるという点では、
相対的な意味はあると思われます。

例えば、同じ年度においてA社はB社の何倍(何十倍)の
ブランド価値がある(あった)といった比較や、
C社はここ5年間でブランド価値が2倍に伸びた(半分に減った)
といった比較などです。
こうした比較を「ン百億円」といった金額で表現すれば、
株主や顧客に対するアピールにもつながるのでしょう。
そのためにも、できる限りの合理性を目指して、
日々仮説や試算方法の改良がなされているはずです。

昔は、企業の資産といえば土地や建物、
それに仕入れた原料や作り出した商品などの
有形資産が中心でしたが、
最近では、
こうしたブランド価値や特許権などの知的財産といった無形資産も、
企業の価値を決定する要素として重要になってきています。


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2007年12月15日(土)

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