知的財産ってわかりますか・中村佳正

無から有を生みたい人、必見

第57回
2007年を振り返って

今年も残すところ、あと3日となりました。
8月にスタートさせて頂いたこのコラムですが、
お陰様でどうやら無事に年を越せそうで、少しホッとしております。
連載開始からずっと無我夢中でしたので、
今年の後半はあっという間でした。
至らぬところが多かったと思いますが、
読者の皆様と編集部の方々に支えられて
何とかここまで辿りつくことができました。
心よりお礼申し上げます。

今回は、少し本題から離れて一年の所感を述べさせていただきます。
今年は、春先の天災も大変でしたが、
人がもたらす災いも数多くニュースになりました。
特に食の安全が脅かされる一年だったのではないでしょうか。
昨年まで米国産牛肉の輸入が随分問題になりましたが、
今年に入ると、夏ごろまでは鰻やら饅頭やら野菜などを取り上げて
中国が随分と槍玉にあがりました。
しかし、日本国内でも後を追うように
ミンチや鶏肉や土産物の菓子などの偽装問題が
次々と明るみに出てきて、
なんだ日本も中国のことを悪くいえないじゃないか
と思ったのは私だけではないでしょう。
おまけに、年の終盤には
一流のはずの高級料亭までもが事件になってしまって、
寂しい気持ちになりました。

食の場合は人命に直接関わるので本当に切実な問題と言えますが、
食以外でも、建築の耐震偽装問題や会計の粉飾決算の問題と言えば
どなたにもピンと来るように、
重大な問題は他にいくらでもあります。
結局、職に就いて社会活動に参加する限り、
どんな仕事にも真摯な姿勢が求められる点に
変わりはないということなのですね。

特許の仕事の場合は、
これといって数値化された品質基準はないのですが、
それでも自分が妥協しないことと、
クライアントの要求にとことん応えていくことの中に、
おのずと答えが得られる場合が多いです。
外国人の場合には特にはっきりしているのですが、
仕事の質が少しでも落ちると
すぐに代理人を切り替えられてしまいます。
そうなると、なにクソォ〜と思ってまた頑張りますので、
長い目で見て自分と戦い続けている人の仕事の質は本物となって
自然にお客がついてきます。
しかし、厚い信頼を得るまでには地道な努力と長い年月が必要です。

そんな中で、私は、日常の業務とは別に
このようなコラムを書かせていただく機会に恵まれ、
目下頑張り中です。
知的財産に関することを皆さんにお話することは、
私にとっても皆さんの反応を通した新しい発見があります。
こなれてくるまで、もう少し時間がかかると思いますが、
どうか来年も暖かく見守ってやって下さい。
よいお年を。


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2007年12月29日(土)

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