知的財産ってわかりますか・中村佳正

無から有を生みたい人、必見

第59回
ご家庭の主婦が元気です

このタイトルちょっと待った!
と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。
最近は、夫婦共働きの方も多いですし、
『主夫』なる人種も増えてきたようなので、
『主婦』という言葉も死語になりつつあるのかもしれません。
他意はありませんのでご容赦下さい。

実は、発明の観点から申しますと、
古くは昭和の時代から、
こうした家事を専業としてこられた『主婦』の方たちによる
輝かしい実績が数多くあります。
家事に革命をもたらしたとか、
日常生活をずっと便利なものにした発明と言われれば、
あれこれ心当たりの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、そうした主婦の方に焦点を当ててみたいと思います。

まず、主婦の力と申しますか、
従来の主婦には、
「男は外」の時代に外で働いてきた男たちにはない
力強さと知恵がありました。
家事といっても、炊事・洗濯・掃除・買出し・子育てと、
何れも重労働です。
例えば、昨年流行した昭和30年代を描いた映画に出てくるような
「お母さん」達は、そうした重労働に対し、
日々精力的に取り組まれてきました。

単調といえば単調な毎日です。
しかし、同じことの繰り返しだからこそ
効果が大きいという面があります。
つまり、何百回、何千回にもなる反復作業に対する効き目ですから、
そこにちょっとした工夫があれば、
総じて見るとかなりの節約
又は効率アップにつながることが多いのです。
一部の人が1年に1回しか実施しない大きな発明よりも、
何百万人もの人が毎日3回実施する小さな発明の方が
ずっと価値が高いということです。

加えて、主婦の方が取り組まれる課題の水準も、
「高度過ぎない」という点で
追い風となることが多かったようです。
いきなり、リニアモーターカーの原理を発明するとか、
核融合の仕組みを発明するといった
現実離れした課題に取り組むよりも、
日常生活の目線から捉えた課題の方がくみし易いことは
容易にご理解いただけるでしょう。
毎日毎日「不便だなぁ〜、何とかならないかなぁ〜」
と思い続けてアレコレ知恵を絞っていると、
ある日突然ひらめくのです。

こうした環境や諸条件と、主婦の方の活きた知恵とが融合し、
これまでに数々の発明が生み出されてきました。
いずれも小さな発明かもしれませんが、
大きな効果をあげる素晴らしい発明です。
もちろん、「発明は現場で」の鉄則にも当てはまります。


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2008年1月3日(木)

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