知的財産ってわかりますか・中村佳正

無から有を生みたい人、必見

第64
ガリレオも発明&アピール上手!

ガリレオ・ガリレイ(1564年〜1642年)は、
イタリアの天文学者であり物理学者です。
「天文学の父」「科学の父」と呼ばれ、
望遠鏡や温度計、振り子時計などの多くの科学装置を考案しました。
ヴェネチア特許法の制定が1474年ですので、
約100年後の誕生ということになります。

彼が開発した装置は、いろいろ特許になったようです。
まず、1594年に発明されたとされる
「ポンプ給水システム(灌漑装置)」が有名です。
当時の図面や記録が残っていないので、
どのようなものであったか詳細は不明ですが、
ヴェネチア特許法での保護期間が10年であったのに対し、
この発明は20年間保護されたそうです。
どういったカラクリがあったかのを想像させるものに、
この「ポンプ給水システム」を発明したときに
彼が国王に提出した陳情書があります。

陳情書の中で彼は、
この発明が如何に優れたものであるかをアピールしたうえで、
この発明に関して自分と子々孫々まで保護して欲しいことと、
もし保護して下さるなら、いっそうの忠誠を以って
さらに熱心に発明に取り組むこととを誓っています。
売り込み上手であったことが伺えますね。

実は、ガリレオが開発したとされる望遠鏡や温度計なども、
全くのオリジナルであったというよりは、
先人が発明したものを彼が改良して世に知らしめたもののようです。
例えば、ガリレオ式で知られる望遠鏡は、
先にオランダで基本的な構造が発明されたのを知ったガリレオが、
倍率を大きく向上させたものと言われています。
ちょっと面白いのが、基本発明をした方のオランダの人物が
現在でも特定できていないということです。
きっと、如何に優れた発明をしても、
放っておいたら普通に忘れ去られてしまうのだと思います。

もちろん、ガリレオが独創性を有していたことは、
振り子(等時性)理論や
落下理論を考え出したことから見ても疑いはありません。
でも、それだけで、
現在これほどまでに世の人々の記憶に強く留まっていられたかは
疑問に思うところです。

優れた才能と、
自分の成果をアピールする能力との両方がうまく噛み合って初めて
後世に名を残すことができるのではないでしょうか。


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2008年1月15日(火)

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