知的財産ってわかりますか・中村佳正

無から有を生みたい人、必見

第65回
ルネッサンスにヒントを得て

ルネッサンスの三大発明といえば、
活版印刷に羅針盤、
それに火薬(火砲)と習った方も多いと思います。
最近の研究では、印刷技術も羅針盤も火薬もルネッサンス以前に
中世ヨーロッパや東洋で
実用化されていたことが確認されているようですので、
ルネッサンスにおいては
これらの技術が一層改良されたという位置付けでしょう。
ちなみに、改良発明であっても
基本発明に負けない立派な発明になり得ることは
言うまでもありません。
重要なのは、
技術を一気に昇華させる現場環境が揃ったということだと思います。

キーパーソンも重要です。
前回、ガリレオに触れましたが、
ルネッサンスといえば、
レオナルド・ダ・ヴィンチを挙げないわけにはいきませんね。
お好きな方は本当にお詳しいので
私がとやかく言うのもはばかられますが、
科学者としての彼は、飛行機、
ヘリコプター(の原型のようなもの)、戦車、
自動車(バネを動力とするようです)、リフト、
織機、時計の仕掛けなど、数多くの考案をしています。
彼の手書きのノートについての研究が
熱心なファンの間で盛んですが、
私が見ても、その秀逸なデザインと広大な構想に
ロマンを感じてしまいます。

また、マリアーノ・ディ・ヤコポや、
フランツェスコ・ディ・ジョルジョといった
シエナの技術者の存在も忘れてはいけません。
シエナといえばトスカーナの歴史都市として有名ですが、
こうした技術者は、後のレオナルド・ダ・ヴィンチにも
強く影響を与えたと言われています。

思うに、ルネッサンスに誕生した数々の考案や発明を考える時、
その時代背景をしっかりと勉強しておくことに、
これからの技術革新や
世の中の流れを読み解いていくためのヒントがありそうです。
当時のヨーロッパ世界を取り巻く諸問題や諸都市の関係が、
数々の考案や発明を生み出したという考え方です。

現代はどうかというと、
資源、環境、食料などの諸問題に、
これまでのような主義主張による争いとは異なって、
アジアVS.欧米とか、中東とかいった、
世界を何分かするような民族同士の争いが
どのように作用してくるかをよく考えて、
生じるうねりを捉える必要がありそうです。


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2008年1月17日(木)

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