知的財産ってわかりますか・中村佳正

無から有を生みたい人、必見

第69回
携帯電話業界の熾烈な争い

平成12年に5000万を越えた我が国の携帯電話契約数ですが、
平成16年には8000万契約を突破し、
昨年はついに9000万をも突破しました。
日本の人口を考えると、一部の子供と老人を除いて
「一人一台」時代が到来したことになります。
そして、国内での競争は、今後海外勢の参入も本格化することから、
より激しいものになることが予想されます。
もっともっと付加価値を高めていくことが要求されるでしょう。

そういった意味で、昨年は
携帯電話業界の革命を予感させる機能や制度が次々と導入され、
まさに「携帯ルネッサンス元年」とも言うべき一年でした。
ちょっと復習してみますと、
2006年1月にはJR東日本によって
モバイルSuicaが導入されて
オサイフケータイの実用化がいよいよスタートし、
同年4月からは「ワンセグ」サービスが開始されました。
また、10月から「ナンバーポータビリティー制度」がスタートし、
各社による「囲い込み」と「乗り換えキャンペーン」が
一層激化しました。

さらに、
2005年には4グループしかなかった移動通信事業者についても、
2005年11月に総務省が、ソフトバンク、イー・モバイル、
アイピーモバイルの3社に新たに携帯事業の許可を出すや、
昨年はソフトバンクの追い上げがかなり注目されました。

さらにインフラと言えば、
通信方式も3G端末の普及が一層進みました。
昨年半ばには国内で5000万台を越えたそうです。
カバーエリアも2G時代のものと比べて
さして遜色なくなったようで、いよいよ携帯電話も
大容量・超高速通信時代に突入したと言えるでしょう。

こうした一連の動きに関わる特許の数は膨大なものです。
現在のニーズに合致した特許技術は、
いま莫大な収入をもたらしてくれています。
しかし、そうした特許は一朝一夕に仕込めるものではありません。
10年以上も前から粛々と特許をおさえていった企業が、
いまの世に隆盛を究めることができます。

では、その企業は、名だたる大企業なのでしょうか?
答えはノーです。
名だたる大企業たちはお金を巻き上げられる側にいます。
特許で最も成功した企業は、
90年代初めには全く無名のベンチャー企業だった会社です。


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2008年1月26日(土)

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