知的財産ってわかりますか・中村佳正

無から有を生みたい人、必見

第102回
数字で見るゴルフメーカーの開発競争

日本のゴルフメーカーといえば、
ダンロップ(住友ゴム工業株式会社)、
ブリヂストンスポーツ株式会社、
ミズノ(美津濃株式会社)、横浜ゴム株式会社、
ダイワ精工株式会社、SRIスポーツ株式会社、
マルマン株式会社、ヤマハ株式会社、(株)本間ゴルフ、
それにヨネックス株式会社が有力メーカーかなと思います。
いずれのメーカーも
人気クラブを次から次へと売り出していますので、
各社の開発競争の激しさは容易に想像できますね。

こうした競争の激しさは、
特許出願という観点から見ても裏付けることができます。
上のようにわざわざ会社を列挙した理由は
各社の特許出願状況をみるためです。

まず、おおよそ平成5年以降に公開された
特許出願について調べてみますと、
発明の名称に「ゴルフクラブ」又は「ゴルフボール」を含む出願は
約6000件あります。
そのうち、上記各社名義で出願されているものの内訳は、

 住友ゴム工業株式会社 ――― 1098件
 ブリヂストン ――― 954件
 ミズノ ――― 253件
 横浜ゴム ――― 377件
 ダイワ ――― 281件
 SRI ――― 222件
 マルマン ――― 120件
 ヤマハ ――― 58件
 本間ゴルフ ――― 15件
 ヨネックス ――― 12件

となっていて、この10社で全体の6割近くを占めます。
中でもダンロップとブリヂストンが出色です。

※ちなみに、上記数字は実体の一部だと思ってください。
 例えばゴルフクラブですと、
 名称を「打球具」とすることもあるからです。
 分類表のコードを使って検索すると
 より正確な数字が得られるのですが、
 今回は「簡易版」ということでご容赦下さい。

そしてもう一つ面白い事実があります。
出願件数上位2社のダンロップと
ブリヂストンに共通してあてはまる数字なのですが、
ゴルフボールに関する出願と
ゴルフクラブに関する出願の件数比率は、
7対3〜6対4でゴルフボールの方が有意に多いのです。
ゴルフクラブは
さらにヘッド部分とシャフト部分とに分類されますので
構造がより複雑に思われますが、
体積からすればクラブよりもずっと小さいボールの方が
より激しい競争の的になっているとは
ちょっと意外に思われませんか。

今年から高反発クラブ規制も導入されているようですし、
高価なクラブに投資するよりも
次のコンペで使用するボール数個に投資したほうが
より高いコストパフォーマンスを期待できるのかも知れませんね。


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2008年4月12日(土)

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