知的財産ってわかりますか・中村佳正

無から有を生みたい人、必見

第103回
特許発明『パター練習器』

「パター練習器」。
日本のゴルフ愛好家のパッティング技術に
どれほど貢献しているのか不明なものも多いでしょうに、
これほど飽きられることなく
バリエーションに富んだ商品として販売され続けているのも
珍しいのではないでしょうか。
夜家の中でも練習できるとあって、
広い練習場が近くにない忙しい日本人なら
一度は手が出てしまう商品なのでしょう。
そうした需要が入れ替わりながら
一定の売れ行きが保たれているのだと思います。

普通は、2mくらいの人工芝に
灰皿状の簡易カップを置けば室内練習場が出来上がりますが、
カップインしたあとの返しをつけたり、
この返しを電動のものにしたり、
特に工夫好きの日本人には放っておけないようです。

例によって、平成5年以降
「パター練習器」に関する出願がどのくらいなされているか
調べてみますと、
IPC分類が" A63B 69/36"
(特殊なスポーツのための訓練用具または装置:ゴルフ用)
となっているもののうち、
特許請求の範囲又は要約に
「パター」もしくは「パッティング」を含むものが、
約300件ありました。
実用新案も含めると450件を越えます。

ざっと拝見すると、やはり個人の方による出願が大半のようです。
ゴルフに対する情熱と愛着が
ついに発明を完成させるに至らしめたのですね。

企業による出願でも、
例えば株式会社ジャパーナさんから
「ゴルフパッティング練習器」という出願が公開されています
(特開2007-296038)。
その発明の狙うところは
「ボール打ち出し角度の誤差を
約2度以内に収めることができるように自覚しながら
パッティング の練習をすることのできる
パッティング練習器を提供する」とあります。
そして構成内容を要約すると、
一定幅の溝を有する転り溝の上を
ボールがこぼれないようにパッティングさせて、
ボール打ち出し角度の誤差が2度未満ならば
ボールがこぼれないようになっているもののようです。
これは襖の溝からボールが逸れないように転がす練習方法を
応用したものでしょうか。

ちょっと読まれただけでは、
な〜んだと思われるかもしれませんが
意外とヒット商品につながる発明が生まれるかもしれません。


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2008年4月15日(火)

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