知的財産ってわかりますか・中村佳正

無から有を生みたい人、必見

第104回
PAT PENDがプレミアム!

そのむかし、私にはゴルフをちょろちょろとやっていた時期があり、
パターにはアメリカのPING社製のものを使っていました。
いわゆるピン・パターと呼ばれているものです。
実は、最近中古のピン・パターを見つけ、
懐古の思いもあってお遊びで購入しました。
"ANSER 2"といって、90年代に大変流行ったものです。
今はピンのシェアが随分落ちたようで、
替わりにオデッセイとかキャメロンとかベティナルディが
トレンドになっています。

我が"ANSER 2"は、
例えば私が休日家にいるとき(長い読書のあとなど)の気晴らしに
大変役立ってくれているのですが、
ある日ふとパターフェースの裏側を見ると
「U.S. PAT. 4,527,799」の文字が・・・。
迂闊でした!
特許になっていらしたんですね。
さっそく調べてみます。

欧州特許庁のデータベースで、
"Golf club head"という名称で見つかりました。
KASTENさんが発明されたようです。
1985年に特許が成立しています。
発明の要旨を原文からそのまま引用すると次のようになっています。

"A putter is disclosed having a beveled portion (16, 16')
on the face (13, 13') of its club head (10, 10')
to leave a straight line of intersection (17, 17')
that can be viewed for use as a reference
even with the club head tilted forward
while addressing a ball, and which, as viewed by the golfer,
appears to be horizontal
when either the toe or heel portion of the club is raised up
from the putting surface."
(以上、米国特許第4,527,799号明細書より抜粋)

説明図を末尾に添付しますが、
要するに、フェース面に設けられた
傾斜面16との境界線17を目印にして、
アドレス時(真上からみたとき)にも
パターヘッドが地面に対して水平になっていることを確認できる
ということでしょうか。
ピン・パターだけに「ピン」という音がする構造とか
そういった内容を期待していたので意外でした。
というより、グリーン上ではこの特性をきちんと活用しなければ
損しますね!

この"ANSER 2"には、特許出願中に出荷されたバージョンで
"PAT PEND"と刻印されたものがあり(patent pendingの意)、
打感がやわらかいとか、
タイガーウッズが使っていたことがあるとかで
中古市場でもさらに高値で取引されているようです。

"PAT PEND"がプレミアムとは
マニアさんも面白いところに価値を見出しますね。



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2008年4月17日(木)

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