| 第113回『デザインのデザイン』を読みました
 私の専門は電気、情報通信、コンピュータに関する特許出願や訴訟の代理ですが、
 たまに意匠登録出願の代理をすることもあります。
 そういう場合には、
 事務所のカメラマンを連れて現物の写真撮影をしにいくとか、
 意匠の特徴部分を引き出すために
 デザイナーさんにインタビューすることがあって、
 私も自分なりに「プロダクトデザイン」について
 楽しく考えさせていただいております。
 前回ご紹介したユニバーサル技能五輪国際大会では、デザイン系種目での日本の成績が
 少し残念な結果に終わってしまいましたけれども、
 日本にも世界に通用するデザイナーの方は多くおられます。
 先日、無印良品のボードメンバーもされている原研哉さんの
 『デザインのデザイン』という本を読んで感銘を受けましたので
 ご紹介します。
 まず、冒頭で「デザインの定義」について最も思い悩んでいるのはプロのデザイナー自身であるということを吐露されていて、
 少し安心した気分になりました。
 著書の中で原さんは、ごく身近なところをきっかけとして、
 デザインのデザインである
 「リ・デザイン」を試みることについての紹介をされています。
 トイレットペーパーを四角くしたらどうなるかとか、
 マッチ棒をデザインするのに
 落ちている小枝に発火剤を塗布してみるなど、
 ユニークなデザイン例を紹介されて、
 日常生活における概念の焼き直しが結構有効であるということを
 素人の私にも理解できるように説明されています。
 また、ご自身が関わられたプロジェクト(長野五輪、愛知万博)についても興味深く回想されています。
 実際に会場に足を運んだ方なら
 ご自身のご記憶と比較することもできて、
 思いを新たにされることもあるんじゃないかと思います。
 デザインの世界って、無秩序なように見えて実は、
 哲学的なものとかコンセプトが
 しっかりと横たわっているものなんだということを
 私も最近知り始めました。
 日常生活用品のちょっと気の効いたデザインって
 どういった背景から生み出されるのか、
 お知りになりたい方はご一読をお勧めします。
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