元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第51回
東京には空がない、チベットには青空がある

62歳の癌爺がチベット高原の「生命の風(ルン)」に
触れたくて、冒険旅行をした話を続けます。
とにかく、ちょっとした山坂や寺院の階段を登れば、
酸欠のために息切れがし、めまいに襲われます。
まさに中年夫婦にはハードな旅なのですが、
ふと遥か山の頂の彼方を仰げば
チベットの天空は抜けるように青く、
まさにこの紺碧の空を見上げながら、
密教僧たちは精神を集中して瞑想の世界に没入する。
そして、師と仰ぐ高僧から秘伝を受け、
ゾクチェン(完成された心)の悟りの境地に達する、
そうした気分も少しわかるような気がします。

高村光太郎という詩人が「東京には空がない」
という詩を残していますが、
不況妄想という暗雲の下でさまよっている、
日常の姿とはかけ離れた雄大な光景が
この大地には広がっていました。 
いま都会の喧騒に飽きた若い世代にもチベットは
興味津々の世界のようですから、
このツアーの行程をかいつまんで紹介しておきましょう。
● 1日目 東京・大阪―上海―成都
● 2日目 成都―ラサ・ゴンカル空港―ツエタン 走行90キロ
高度3500mのツエタンにて高度順応をしながら
タントウク寺などを見学。
● 3日目 ツエタンーサムイエ寺―ラサ 走行190キロ
渡し舟でヤルンツアンポ川を渡り、チベット最初の僧院、
立体曼荼羅で有名なサムイエ寺へ。一路ラサへ。
高山病対策で深呼吸を繰り返し、たえず水を飲む。
● 4日目 ラサ 終日市内観光。
天空の宮殿・ポタラ宮の見学。
河口慧海ゆかりの問答の寺・セラ寺や
ダライラマの夏の離宮・ノブリンカを訪れる。
● 5日目 ラサーヤムドク湖―ギャンツエ  走行260キロ
ラサを4輪駆動車で出発。カンパラ峠(4794m)から、
真っ青な神秘の湖・ ヤムドク湖を望み、ギャンツエへ。
坂を登ると酸欠で息切れし、足がふらつく。
● 6日目 ギャンツエーシガツエ  走行100キロ
チベット最大の仏塔(チョルテン)で
有名なパルコル・チョエデを見学。シガツエへ。
● 7日目 シガツエーラサ 走行280キロ
歴代パンチェンラマの居城・タシルンポを見学。一路、ラサへ。
高地に心身が順応して呼吸も活動も楽になる。
ラサの活気あふれる市場で買い物。
(僕は現代チベット画家の第一人者・次旦朗杰さんの描いた
「観音菩薩」の曼荼羅タンカを買う)
● 8日目 ラサ
早朝4時出発で、年に1度開帳される巨大曼荼羅タンカ
(壁かけ絵)を拝みに、デプン寺のショトン祭に出かける。
さらに、チベット仏教の総本山・大昭寺(ジョカン寺)を見学。
バザール市場のパルコルで買い物。
● 9日目 ラサーゴンカル空港―成都―上海
風邪を引き、熱が38,7度出て夜の上海探訪はパス。
● 10日目 上海―東京・大阪
心配した風邪の熱も下がり、無事帰国。
さて、中年夫婦にはなかなかの強行ツアーでしょう。
しかし、その疲れを吹き飛ばすように真っ青な天空からは、
サムシング・グレートといった
大きな自然宇宙の生命エネルギーが降り注ぎます。
なんとも命の体感を鋭くする不思議な旅でありました。


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2002年10月17日(木)

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