元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第58回
12345678…あなたは「深呼吸」を忘れていませんか?

聖地・チベットのお寺を巡る旅は、
一人のガン患者に、いろいろと生きる知恵を授けてくれましたが、
だからといって、
「宇宙の生命エネルギーを信じないと救われませんよ」
「治療のために大自然の霊性の息吹きにすがりましょう」
といった頭でっかちな信心に凝り固まることはありません。
僕にしても、なんとか快く命を拾いたい、運命を切り開きたいと、
願う一人の患者であって、
哲学者や宗教啓蒙家ではありませんからね。
患者と家族には屁理屈三昧より日々のリラックス。
これが最大の良薬です。

ただ高度4000m、5000mという
チベットの大自然が教えてくれた
実に素朴な健康教訓がありますので付け加えておきます。
「都会で生活していると、
いかに浅くて小さな呼吸しかしていないか」という、
あたりまえの警告です。
息詰りとは人生の「行き詰り」に通じるそうです。
前にも触れましたが、
あなたも、仕事で緊張したり、
ストレスでイライラしているとき、また寝ているときですら、
いっとき無呼吸のような状態にないでしょうか?

ツアーガイドのNさんから、
「高山病に罹らないように深呼吸をしましょう。
思いきり息を吐き切って、
さあ深〜く息を吸い込んでください」と、
うるさいほど迫られても、
パルスオキシメーターの酸素測定値が
ちっとも上がらないばかりか、
日頃から小さな呼吸しか慣れていないために、
深呼吸がうまく出来ないのです、情けないですね。

酸素も薄く、気圧も低いわけですから、
たえず、それは深い深〜い「深呼吸」を繰り返さないと、
血液中のヘモグロビンが減って
脳や肺が膨れ上がって死に至ります。
ガンになってから、腹式呼吸法で血の巡りを良くし、
体調を整えているという話は前に書きましたが、
僕は、大抵、1234、または123456と数えて
深呼吸を繰り返していましたが、
12345678…薄い酸素を吸い込むには、
深く、もっと深〜く吐息吸息を繰り替えさないと、
脳にも肺にも命の息吹が巡らないのです。
あたりまえの代謝運動まで
不器用になっていることに呆れました。

いまでは、毎朝、日課にしている公園散歩も、
ちょうど昔の機関車がゆったりと蒸気を吐くようなリズムで、
吐息吸息を繰り返して歩いています。
はじめは「シュッシュッポッポ、1234」
とリズムをつけて歩きます。
最後は大きく息をすき込むために
12345678で深呼吸歩行です。
「シュッシュッポッポ呼吸法」と勝手に命名したのですが、
これは脳や肺の息を送り込むのに最適のようです。
お蔭で東京に帰ってからは「ゆったり深呼吸」の癖がつき、
なんと持病の頭痛も止まったではありませんか?


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2002年10月24日(木)

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