元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第59回
「自然の息吹」と共鳴することが体力回復の近道です

たった10日間、チベットの山河や古寺を巡ったからと言って、
密教僧まがいの瞑想修業を体得したなどと、
大仰なハッタリは申しません。
ただ、マラソン選手の高地呼吸トレーニングとは
比較にはなりませんが、高度4000メートル、
酸素量が平地の2/3という薄さ。
そのチベット高原の抜けるような青空が、
深い深〜い深呼吸の大切さを教えてくれたことは確かでした。
普段、日々励行している丹田呼吸法にしても、
25回繰り返すべきところを
数回で誤魔化すような怠け者の患者です。
チベットで体得した「深呼吸法」が
有り難い心身回復法となりました。
12345678…この「シュッシュッポッポ呼吸法」で
公園を小1時間歩く毎朝の日課が
いまでは、ガンの再発不安を吹き飛ばす、
体力気力の充実をもたらしてくれています。

それを聞きつけて、
ある日、山歩きが好きなふたりの友人がやってきました。
まあ登山は無理だろうが、
軽いトレッキングならガン養生にはもってこいだと、
尾瀬沼のウオーキングに誘ってくれたのです。
尾瀬ヶ原といえば水芭蕉やニッコウキスゲが一面に咲く湿原を
トレッカーたちがそぞろ歩く。
そうした姿を、テレビではもう何度も見たことはありますが、
まさか62歳を過ぎて、
はじめて出かけるとは思いも寄らぬことでした。

初心者向きということで選んでくれたのが
福島県の七入から長蔵小屋まで往復3時間、
7キロのコースでした。
うん、これならなんとかついていけるだろうと挑戦したわけです。
ところが前に沼山峠という難所が立ちはだかり、
この坂が初心者にはきつい。
ところがどうでしょう?
東京の地下鉄の階段を上っただけで、
息切れでめまいがしていたというのに、
「シュッシュッポッポ呼吸法」でリズムをつけて登っていくと、
なんとスムーズに足が運ぶではありませんか?
正直いって嬉しくなりました。
もう夏の季節を過ぎてニッコウキスゲは枯れておりましたが、
エゾリンドウの紫の花が目に染み込みます。
まして美味しい空気が腹いっぱい入ってきたわけですから、
木々の枝のざわめき、野草の彩り、
そのたくましい自然の息吹にふれて、
怠け者の僕の体が生き返ってきたのが分かりました。

深〜い呼吸をしならが歩くことが、
いかに血流をスムーズにさせるか?
脳内にドパーミンを分泌させ、
いかに気分をリラックスさせてくれるか?
いじましい呼吸やいじけた心…
まさに、これは人生「行き詰り」の原因となります。
呼吸にしても食事や排便にしても、
頭でっかちに勉強するだけでなく、
毎日毎日、心と体に覚え込ませる!
これを忘れてはなりません。


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2002年10月25日(金)

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