元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第90回
シリで頭痛を治す? もうシリません

里芋をお尻に当てて頭痛を治す?
この里芋湿布療法はメール仲間の間で
しばらく愉快な物議を巻き起こしました。
別に目くじらを立てて、バカな治療法だとか、
いかがわしいヤツだとたしなめられたわけではありません。

「ガンの手術は命を縮めるからいかん」と、
僕をガン病棟から拉致した
“絶倫くん”という愛称の親友がいます。
何冊かの僕の闘病記に必ず登場する痛快無比の人気者ですから、
覚えている読者もいるかも知れません。
4年前、僕がガン病棟脱走を企んだときに、
絶倫くんが寄越したメールはかなり過激なモノでした。
「手術や抗ガン剤は止めろ!
アナルだろうとチンコの穴だろうと、
体の穴という穴から生薬秘薬を流し込んで
癌玉を吐き出せ!」
そして、こんどの“里芋事件”です。
その痛烈な文面には、思わず笑い転げてしまいました。

「いやあ、心底、笑いましたぞ!
メールを読んで最初に思い出したことは、
あなたが超ド級のアナリストだったことです。
忌まわしい限りのあの大学病院で、
漢方の天仙液を飲むだけでなく、天仙栓という座薬をば
朝に夕にアナルにぶち込んで癌玉を撃退した。
そして、またまた尻に里芋をあてがう?
どうも、あなたはアナルとは
切っても切れない縁があるようですなあ。
里芋オロシに生姜と小麦粉を練った代物を、
いかがわしくもアナルにあてるとは、
聞いただけでも恐ろしいのに、
それを嬉々として調合され、さらに恍惚の表情を
浮かべなりながらご自分のアナルへとあてがう様は、
これはもうほとんど鬼気迫るものがあります。
なにがどうあれ、アナルで頭が治ってしまったことが問題です。
アナルで食道ガンを吐き出したうえに、
今度はアナルで頭の水を吐き出したとおっしゃる。
そのうち、アナルでバラの一輪や二輪、
咲かせてみせるおつもりか?
どうぞごお達者で。
尻(しり)で頭痛を治す?もうゼツリンは尻(しり)ません…」

“絶倫”くんならずとも、誰でもが失笑、苦笑する
「おばあちゃんの知恵療法」なのですが、
その科学的根拠はともあれ、
ともすれば陰々滅々になりがちな闘病話が
大笑いの話のタネとなったのですから、
それだけでも里芋湿布の効果は絶大だったと思っています。


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2002年11月25日(月)

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