| 第116回魚は安全か?
 朝日新聞12月2日朝刊に「魚とダイオキシン」の影響について
 「脂の乗った魚介類、ダイオキシン高め 水産庁裏付け」
 というタイトルの記事が載ったことがあります。
 調査対象93種類の中には
 国の定めた安全基準(TDI)を大きく上回る魚種も
 あるというではないですか?
 ダイオキシン類濃度が高い数値を示した魚介類とは…●東京湾、大阪湾、瀬戸内海のコノシロやタチウオ。
 ●米国東海岸沖で取れた脂の多いクロマグロ。
 (体重50キロの大人が
 毎日20グラム(刺し身で2切れ程度)を
 生涯、食べ続けるとTDIを超えることになるといいます)
 ●甲羅内のミソが北陸沖、山陰沖のズワイガニやベニズワイガニ
 ダイオキシンの影響と言えば、米環境保護局(EPA)から、
 肉などの脂肪に蓄積され、
 そうした食事をする人はガンになる危険性が10倍高い、
 とする報告が発表されていますが、
 日本人の場合は魚介類からの摂取がより問題です。
 摂取するダイオキシン類の60%前後が
 魚介類からの摂取と推計されているからです。
 世界保健機構(WHO)は耐容1日摂取量(TDI)を
 ひとり1日体重1kg当たり1〜4ピコを提案しており、
 わが国ではこのWHOのTDIが通常より多く、
 とくに妊娠中の胎児に影響を及ぼす
 生殖毒性の影響が問題視されています。
 ダイオキシン類の毒性には、
 ただちに健康への影響が懸念される急性毒性と、
 発ガン性、催奇形性、生殖毒性、
 免疫毒性などの慢性毒性があります。
 国連環境計画(UNEP)の調査報告によれば、
 世界中で排出されるダイオキシン類の約半分を
 日本が排出し、
 それらダイオキシン類の発生源は、
 古くは農薬、除草剤によるものでしたが、
 現在、大部分は一般、産業を問わず
 廃棄物の焼却に由来すると推定されています。
 さあ、あなたは、寿司屋さんの穴子やマグロを平気で食べられますか?
 今一度、食卓の工夫を凝らすべきときでしょう。
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