| 第131回フードファイター、フードギャンブルからスローヘルスへ
 子どもたちのアレルギー、肥満、拒食症の原因は、高タンパク高脂質の肉食偏重の〈食の堕落〉から
 くるものでしょう。
 もちろん、親の世代も心身のバランスを崩し、
 大学病院の単なる手術や化学薬では治らない、
 ガンや糖尿病といった生活習慣難病に悩まされています。
 PFC比率つまりタンパク質、脂肪、炭水化物の摂取、
 このバランスのとれた食生活は
 この30年間でもろくも崩れ、
 食の嗜好は肉や油脂類が米を超えてしまったわけです。
 また、ビジネスの拙速化は外食、個食を盛んにし、
 昔懐かしい伝統食や家庭食という
 食の知恵を生活の片隅に追いやったといえましょう。
 いまや〈食卓汚染〉と〈食の堕落〉が食の危機、命の危機の引き金になってしまったわけです。
 わが国だけで年間30万人がガンで亡くなっています。
 毎週6000人の命が奪われるという猛威です。
 2012年には50万人が
 ガンで亡くなるだろうと予測する人もいます。
 ガンの原因は遺伝やストレス、環境因子が上げられますが、
 いまや最大の原因が〈食卓汚染〉と〈食の堕落〉
 にあるといっても言い過ぎではありません。
 では、どうすれば食の危機、命の危機を脱出できるのでしょうか?
 食卓汚染を引き起こした垂れ流しの政策を批判しつつ、
 やはり便利には替えられないと、
 いまの食生活に甘んじるのか?
 それとも食の堕落を反省して、
 食の知恵を身につけるか?
 この二つの選択肢しか残されていません。
 アメリカのある医師は、
 いまや消費者は「食の闘士=フードファイター」になるべきだ
 と説いています。
 またイギリスのあるジャーナリストは
 「食の賭け=フードギャンブル」に
 晒されているのだと訴えています。
 もちろん、賢い選択は食の堕落に反省し、
 食の知恵を磨くことであることはいうまでもないでしょう。
 僕はガンと闘いながら、
 マクロビオティックこそ食の危機、命の危機を脱する
 しなやかな生活の知恵=スローヘルスな治療法だと
 確信したわけです。
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