元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第138回
ドクハラにひるんではいけません

「高飛車な医師の言動や無責任な医師の治療に気づいたら、
その場で抗議せよ、といわれても
なかなか難しいよね」
と誰でもが一瞬、ひるみます。
しかし、ガン治療に一発で完治する手術や特効薬など
ありませんから、
検査、診察、治療の直前には、
患者は質問メモを用意するくらいの覚悟でしつこく聞く。
ことはかけがえのない己の命ですから、
ドクハラにひるんではいられません。
どんな症状でもガン宣告即=死とはなりません。
1週間でも、1ヶ月でも、思案する余裕はありますから、
家族と協力して本を読み、インターネットで勉強して、
とにかく、患者自らが「治療設計図」を作る覚悟を決めましょう。
「患者が主役」「命はかけがえのない買い物」という
決意を固めることから、納得できる医療が始まる…
これが「ドクハラ」の発案者・土屋医師の持論なわけです。

土屋医師が朝日新聞の記事で「ドクハラ」問題を提起した
同じ日の夕方、奇しくも、12月26日(木)に
僕たちの「賢い患者学/スローヘルス懇親会」が開かれました。
タイミング良く、その日の講師は土屋医師で、
テーマも「あなたはドクハラされていませんか?」でしたから、
小さなマクロビオティックのレストランは
満席の盛況となりました。
集まったのは、いま治療選択に悩んでいる患者だけでなく、
まさにドクハラに晒されている末期の母を心配する娘さん、
そして現場の若い女医さんまで聞き入りました。
青森や長野からわざわざ参加した人もおりました。
いかに「患者と医師がよりしなやか関係になれないか?」
というわけで、参加者から土屋医師や主宰をした僕にも、
熱心な質問が飛び交いました。
土屋医師の答えは実に明快でした。
「ドクハラとは単純な医師の言葉の暴力だけでなく、
本来、メディカルハラスメント(医療矛盾)の
意味を込めた,トータルケアのキーワードなのです。
医師だけでなく、
患者の皆さんにも、
治療を受ける際の発想転換を訴えたものなのです。
もう、泣き寝入りでは命がもちませんよ」
頑迷固陋な医師会の中での大胆な提案ですから、
多くの患者が共鳴したことはいうまでもありません。


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2003年1月12日(日)

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