元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第139回
ぞんざいな言葉がガンも悪くする?

よく、有名な医師の書いた本や新聞の医療記事に、
最近はインフォームドコンセント(納得治療)や
セカンドオピニオン(第2の医師選択)の制度が浸透してきたから、
患者も自由に治療を受ける機会が増えて来たなどと、
書かれていることがありますが、
はたしてどうでしょうか?
納得できる治療を受けようと、
他の医師に診て貰いたいと申し出れば、
主治医の自尊心を傷つけることにもなりますから、
とんだしっぺ返しを受ける例があります。

僕にしても、手術を拒否して病棟を出るとき、
主治医は「あんた7,8ヶ月後には必ず再発するからな」と、
脅迫まがいのドクハラの言辞を浴びました。
土屋医師を囲んで開かれた「スローヘルス研究会」の懇親会でも、
さまざまな患者の不安の声が上がっていました。
「セカンドオピニオンを受けたいので、
紹介状と検査データをお願いしますといったら、
はっきりいって「面倒なんだよな」とイヤな顔をされました」
と乳ガンの患者が言い出すと、
子宮ガンの術後、ガン病棟を逃げ出して、
いまは食事療法で小康を保っている女性の発言からは、
こんな意見が飛び出しました。
「私もこんなことがありました。
抗ガン剤を打たないと助からないぞと、
あまりにも性急に迫るので、
代替医療や食事療法の先生にも診てもらって
判断したいのですが、とお願いしたら、
キミ、そういういかがわしい治療は
セカンドオピニオンじゃないよと
ふん!とヘソを曲げられてしまいました」

「キミね。セカンドオピニオンはね、
ガンセンターとか、癌研病院とか、
うちより上のランクの病院じゃないと意味がないんだよ。
死んでしまったら元も子もないぞ」
とまで嫌味を言われ、バカにされたというのです。
ドクハラの言辞が、ますます、医師と患者の距離を
隔てているわけですが、
こうしたぞんざいな言葉のやりとりが、
患者の心を傷つけ、ストレスのあまり、
治るガンも治り難くすることもあるでしょう。


←前回記事へ

2003年1月13日(月)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ