元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第144回
なぜ医療費には明細書がないのか?

とにかくガンが猛威を振い、医療ミスが大病院で蔓延しています。
「病気を診て病人を診ず」といった、
患者がどうしても納得のできない治療が
蔓延しているわけですから、
将来の医療制度の改革を叫ぶだけでは、
明日の命が追いつきません。
「現在のように医療というサービスや薬を購入して
自分がお金を払っているにもかかわらず、
その場で明細書がもらえないのは異常というほかありません」
「レセプト開示…」の著者が
7年にわたる医療過誤訴訟に勝訴したウラには、
病院の無謀な陣痛促進剤被害で亡くした
長女(生後8日)への無念の涙があったわけで、
ひとりひとりがわが身、わが命の現場で、
賢い医療消費者としての意識改革をすべきときなのです。

前にも紹介しましたが、
僕の敬愛する医師で、ドクハラ=患者いじめ退治を提唱している、
土屋繁裕医師にしても同じ発想の持ち主でしょう。
「患者は治療を命は買い物と思え」
「これからはドクターショッピングの発想で
医師・病院の選択をすべきだ」
と医師界内部からも患者の意識改革を叫ぶ外科医も現われました。
「医は仁術」と干からびた論理は持ち出すこともないでしょうが、
一歩譲って「医は事業」と考えたとしても、
これまでの保険医療制度はあまりにも
「医師」のためにだけにしか機能してこなかった。
多くの患者が「あたりまえのことがなされていない!」
この医療制度と治療現場のギャップに
堪忍袋の緒が切れているはずです。

患者学などと格好をつけて強調はしませんが、
東洋医学には古来から「久病良医」という諺があります。
長く患った患者ほど治療について勉強するから、
医者を越える良い医者になるという譬えです。
医療制度改革も、己の命を救うことも
「久病良医」の意識改革・実践活動に
掛かってきたといえるでしょう。
もちろん、医師も病院もさらに医師会、厚生省、保険団体も、
一段と積極的に「救命サービス意識」を持つべきでしょう。
50歳以上が5000万人という高齢化医療社会に突入します。
医療費の自己負担も3割の時代。
救命産業の「供給者」と「消費者」の
平等な意識改革が急がれるわけです。


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2003年1月18日(土)

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