元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第169回
イレッサで亡くなった患者、助かった患者

画期的な抗ガン剤・イレッサで死者が100人以上出た
というニュースをガンの患者はどう聞いたらよいのでしょうか?
オカシナな話といえば、
監督官庁や審査会が、異例の早期認可をした割には、
厚生労働省の国民へのメッセージが
ちっとも速やかでないことは不思議でした。
もし、これが中国のやせ薬のときのように、
漢方薬や健康補助食品の副作用の事件だったら
どうだったでしょうか?
マスコミも社会面の5段抜きくらいで、
人命尊重を訴えたはずです。
別に西洋医学への信頼、東洋医学への不信が、
世間にはあるのでしょうが、
ことは100人以上の患者が、
明かにイレッサの服用で命を失ったわけですから、
もう少し詳しく報道されて然るべきだと思います。

僕の懇意にしている外科医の土屋繁裕医師は、
患者本位の医療を提唱しているガンの専門医ですが、
その立場からこうした指摘をしています。
「私はイレッサのリスクばかりが
クローズアップされるのは
マスコミが過剰に反応しすぎと思っています。
実際、私が休眠療法をして来た患者さんで、
肺ガンの手術後に、両側の腋窩リンパ節と
首のリンパ節がボコボコに張れて来て、
困ってしまった患者さんがいたのですが、
何とイレッサを服用してから僅か1週間で、
ほとんど消えてしまったのです。
厚労省が認可を早めたことで、
たくさんの患者さんが、イレッサを使うことができたのです。
イレッサは当初(保険適応でない時)1錠9000円、
1ヶ月で27万円かかったのです。
現在は1錠7000円で、
1ヶ月21万円ですが、
保険が利くので、
1ヶ月7万円くらいの負担で済むのです」
なるほど、イレッサを最後の命綱と信じて、
効果を上げた患者もいるわけです。
では、なぜ100人を超える死者がでたのでしょうか?


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2003年2月12日(水)

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