元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第191回
「切り裂き魔」の外科医にご用心

僕の友人のCさんが、
同じ頃、同じ病院の同じ主治医に
食道ガンの手術を受けたのですが、喉に後遺症が残り、
続いて顎に転移してしまいました。
削りとった顎の骨や肉を、
太腿から持ってきたがために、
体中、2メートルも切り刻まれたという、
悲惨な状態になったという話は前に書きました。
Cさんは、いまだに抗ガン剤治験薬の疼痛に
うんうん唸りながら頑張っています。
手術を嫌ってガン病棟を逃げ出した僕とは違って、
Cさんはなんと5回も再手術、再治療のために入退院を繰り返し、
いままた後遺症で食事もままならず、
入院しているのです。
ことほどさようで、
食道ガンの術後は大変なケースが多いわけですから、
ガンと言えばすぐメスを振りまわす、
「切り裂き魔」のような外科医にあったら最悪です。
その手術を強要するための説得詭弁をまるごと信じてはなりません。
これぞ「ドクハラ」治療の最たるものだと僕は思っています。
「食道ガンは切れば完治しますよ」
「術後は酒でも肉でもなんでも食べられます」
「3週間でゴルフだって出来ますよ」
僕はこうした主治医の口車や甘言に騙されなかったがために、
いまパソコンを叩きながら
こうして、のんびり過ごすことができているわけです。

西洋医学の治療マニュアルや、
医療制度の点数制度からみれば、
手術こそ「ガンの第1特効薬」
ということになるのかも知れませんが、
この長寿情報社会の患者のQOL(命の質)をどう守るべきか?
患者の命の視点からみれば、
食道ガンのような免疫力を著しく落す手術については、
もはや医師も病院も考え方を改めるべきだと思います。
一人一人の症状や年齢、体力差、
そして人生観もしっかり聞いたうえで、
オーダーメイド治療法を考慮すべきでしょう。
僕のような60歳の爺と格闘技の若者の体力を、
一把ひとからげに考えるようなレディメード治療、
機械部品を取替えるように扱うマニュアル治療を
もう許してはなりません。
「ドクハラ」から「スローヘルス」へ!
いま患者自身も治療発想の転換を図るべきときでしょう。


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2003年3月6日(木)

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