元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第209回
「ガンは気で治す」

ある日、僕と同じように食道ガンを「切らずに治す」と
闘病中の作家・倉本四郎さんから
「まぼろし健康道場」(平凡社)という著書が届きました。
親友のSさんを喉頭ガンの手術で亡くして以来、
西洋医学は頼むに足らずと腹を立てたのがきっかけで、
風変わりな民間療法に挑戦したわけですが、
そうした修業の話をぎっしり詰め込んだ痛快な健康随筆です。
いかにも凝り性で感性の鋭い倉本さんらしく、
奇妙な療法を始めは疑いながらも、
やがて、ぐいぐいと嵌まっていく、
その様子が軽妙なタッチで書かれており、、
あなたも腹を抱えて笑えます。

ガンばかりでなく、仕事のストレスで悩んでいる人も、
日ごと衰えゆく、わがペニスのふがいなさに落ち込んでいる人にも、
かなり役に立ちそうな雰囲気の本なのです。
たとえば「三日間保障付き?」の
中国産バイアグラの「威力報告」もありますから、
奥さんとクスクス笑いながら読めば、
きっと夫婦和合にも役立つでしょう。
頭に噴射するニンニクエキス療法や
ペニスを叩いて鍛え上げる、焼きタワシ療法といった、
なんとも奇妙奇天烈な健康秘話も登場します。
「まぼろし健康道場」というタイトルはといえば…
数年間、こうした過激な健康法にのめり込んで
わが身を叱咤激励したにも係わらず、
こともあろうに食道ガンの宣告を受けてしまったという
因果な体験から出てきたようなのです。

さて、ガンになって1年、
倉本さんが大病院で受けたのは放射線治療だけです。
では退院後、どんなスローヘルスな養生法を組み合わせたか?
なぜ再発や転移しないのか?というと、
「しなやかな玄米菜食」にも書きましたが、
日々、マクロビオティックの食養生に凝りまくって、
玄米菜食を続けているからなのです。

もう一つ、倉本さんの取り入れている養生法があります。
体をエビのようにして呼吸をする(?)
活元整体という気功体操を取り入れたことが
快癒効果をあげているようなのです。
これは野口晴哉さんという人が発案したもので、
健康維持、難病治しとして各地で評判のようです。
「ガンは切らずに治す」という倉本さんの場合は、
まさに「気と食」を栄養素として、
スローヘルスに精進しているといえるでしょう。


←前回記事へ

2003年3月24日(月)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ