元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第217回
梅干は「万病の薬」

30年前のベストセラー「おばあさんの知恵袋」には
どんな「スローヘルス」な知恵が書かれていたか?
すべてを紹介するわけにはいきませんので
「梅干し」という項目について話を絞りながら
紹介したいと思います。

梅干は古来から万病の薬といわれてきましたが、
いまや都会の家庭では、
梅干を手作りすることは殆どなくなりました。
化学調味料や防腐剤、着色剤を使った梅干が
出まわっているので、
なんとしても無添加、天然ものの梅干を手にいれないと、
本来の効能も期待できないわけですが、
梅干の手作り法や古来からの効能が
この本ではおばあちゃんの囲炉裏端のオトギ話のように
心温かく紹介されているところが面白いわけです。
葡萄酒が<何年ものがお天気がよかった>
という理由で値段が高くなるように、
梅干の出来不出来も天候に左右されるといいます。
<四月、五月ごろに晴れの多かった年のものはよいお味>だそうです。

<申の年に漬けた梅干しは中風のまじない、
とやら申しまして、
わたくしの里では
申の年にはいつもの年の倍以上の梅を漬けました。
蔵に入りますと申の年の梅干しがずっと残っておりまして、
百年以上たっても、もうとろとろになったものも残っておりました。
村に病人が出ますと、
夜の夜中に人がとんでまいりまして、
祖母は蔵に入り、
食中毒には新しくて酸味の強いもの、
中風には申の年のものをと選びました>

さらに、マムシなどの毒虫に噛まれた場合も
梅干を使ったといいます。
とにかく、梅干のアミグダリンや有機酸は
腸の中での抗菌作用が著しいので、
食中毒の季節の家庭の常備「薬」であったわけです。
血液浄化、疲労回復、整腸作用、老化防止など
さまざまな効用が見直されています。
この桑井いねさんの「梅干」は
100年、200年まえの昔話ではなく、
ほんの数十年前に日本人が心得ていた
スローへルスな知恵なのです。
下痢や便秘はアレルギーやガンなどの
生活習慣病、長寿難病の元凶となります。
胃や腸の粘膜を丈夫にしてくれる梅干は
あなたの家庭の食卓に常備しておくことをオススメします。


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2003年4月1日(火)

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