元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第248回
身銭を切っても「食事の工夫」が大切です

僕が5年前に入院した大学病院では、
食道ガンの患者に、
辛いカレーライスを出してきたという話の続きです。

あまりの無神経ぶりに、
配膳の女性に文句をいった覚えがあります。
ところが、暖簾に腕押しです。
次の週には、こんどは、カレーうどんが出てきたのです。
もう開いた口がふさがりません。

たしかに食欲のわかない病人には、
香辛料のはいった料理がよいのかどうかは分かりませんが、
患者の症状を考えずに1把ひとからげに扱う。
まるでにわとりにエサでも与えるような感覚が許せません。
「これからはパンにしてください。
まさかカレーパンは出ないでしょうからね」
と頼みました。
ところがガン病棟では“娑婆”では
考えられないことが平気で起こります。
なんと3日後には、
こんがりと揚がったカレーパンが運ばれてきたではありませんか?
堪忍袋の緒がぷつんと切れました。

病院食は不味くて食べられないと、
文句を言う人はよくいますが、
どうせ病院出入りの仕出し屋さんにでも、
食事のことはまかせているのでしょうから、
婦長さんも「酷いですね」と言いながらも
口出しができないようなのです。

ことほどさようで、
いかに世界の保健機関が
「ガンと食事」の危険性について警鐘を鳴らそうが、
治療の現場では馬耳東風。
病院経営さえ効率よく廻って入ればこと足れリ、
といった「ドクハラ」風潮が蔓延しているわけです。
まさに「病気を診て病人を診ず」です。
もはや、闇雲に抗ガン剤をぶち込んだり、
ビタミン剤、サプリメントを大量に飲ませるといった、
硬直した対処療法、マニュアル治療だけでは、
ガンをはじめとした慢性疾患は治せない…
WHOが示唆している「ガンと食事」の報告書に、
いつまでたっても現場が改善の兆しを見せないとすれば、
やはり、患者は身銭を切ってでも、
入院中、退院後の「食事」について腐心していかないと
命を失いかねない…これが賢い選択なのでしょう。


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2003年5月2日(金)

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