元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第301回
「絶望と鬱」はガンの大敵

強度のストレスがガンの引き金になるといわれますが、
「積極性」「闘争心」「生きがい」「ユーモア」など、
プラス志向を持てばガンの治療効果を高める。
そうした研究も心理学者の間で盛んに進められています。

ストレスによる「慢性的な絶望感と鬱状態」と
「ガン発生率」の相関を明らかにした長期追跡調査が
イギリスの大学あたりで発表されています。
乳ガンの女性の10年生存率を比較すると、
「闘争心」持っている人が80%生存しているのに対し、
「絶望感」の強い人は20%しか生存していないというのですね。

やはりストレスが
ガンの発生にも延命にも影響するというわけです。
昔から「病は気から」といいますが、
長期の患者追跡調査によって
心や脳の働きが
ガンで生きるか死ぬかを左右することまで
分かってきたわけですから、
ますますストレス解消法や
心理療法の有用性が無視できなくなってきました。
たしかにガンは「切れば治る」ケースもあるでしょうが、
生還する、快癒する、そして命を拾う…
延命患者の大半は心持の前向きな人なのです。

さて、昔、
「ガンにかかりやすいパーソナリティ」
(水沼寛・清水義治著・白馬出版)
という心理療法、行動療法の本を読んだことがあります。
悲しみや不安、
つまり「慢性的な抑鬱」「慢性的な絶望」
これがガンの引き金となり、
延命率を下げるというレポートです。
この「行動療法」の創始者といわれる
ロンドン大学精神医学研究所の
H.J.アイゼンク教授の研究成果が詳しく書かれていますから
興味のある人は、この本を読んで見てください。
絶望と鬱状態が3年続いた人はガンの危険率が高まり
「4年持続で3倍」「5年で9倍」
という結果が出たというのです。


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2003年6月24日(火)

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