元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第312回
患者が期待したい「命の医学」とは?

人間のからだを
まるで機械部品のように分解し、
臓器を切ったり叩いたりして治療する
西洋医学の限界が
医師にも、いや患者にも分かってきたわけで、
「心とからだ」を丸ごと研究する、
ホリスティック医学の発想や仮説、さらに治療の領域が、
いまだんだんと脚光を浴びているといったらよいと思います。

「心とからだ」を診る人間丸ごとの治療といえば、
最近、よく西洋医学と中国医学の長所を組み合わせた
中西医結合医療がよい
という意見が高まってきました。
僕なども抗ガン剤、放射線という対処療法と、
漢方薬、食事療法といった体質改善療法で
命を拾った患者ですから、
「いいところ取り」療法というか、
中西医結合治療の恩恵に預かった1人といえましょう。

しかしガン病棟では「総論理解、各論バラバラ」
というのが医療の現実です。
こうした治療を「いかがわしい」と
頭からバカにしてはなりません。
西洋医学一辺倒から
人間丸ごとの医療にどう姿を変えることができるのか?
これが21世紀の医学の課題でしょう。

このコラムでは、さまざまな「心とからだ」丸ごとの
医学と療法について紹介してきました。
たとえば、ワシントン大学のホームズ氏らによる
「ライフ・イベント(人生事件)型ストレスの研究」、
ロンドン大学・アイゼンク教授の
「慢性的な絶望感とガン発生」の相関研究と行動療法
また新潟大学大学院の安保徹教授の
「自律神経と免疫」の相関研究と精神免疫療法…
さらに帯津良一博士らの提唱するホリスティック医療を含めて、
心身両面からから命の構造が究明され、
人間丸ごとを診る治療法がさかんに開発されています。

また外科医の立場を転じて、
医療制度全体に潜む
「ドクターハラスメント=患者いじめ」の仕組みを
撲滅しようとする、
土屋繁裕さんのような勇気ある医師も登場しています。
大学病院の医師優位の「狭い治療」から
患者本位の「広い治療」への回帰が
ますます期待されているわけです。
こうしたホリスティックでスローへルスな「生命学」が、
21世紀の医学の主流になるべきだと
僕はつくづくその思いを深くしています。


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2003年7月5日(土)

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