元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第321回
慈心妙手

ガン、アトピー、膠原病、糖尿病そして痴呆…
長寿難病時代に
病院は、「命の医療」をほどこしているかどうか?

その意味で、これまでタブーとされてきた、
大学病院の「患者無視」いや「患者いじめ」にメスを入れ、
「ドクハラ」=ドクターハラスメント(患者いじめ)という
分かりやすいキーワードで世に医療のあり方を問うた、
外科医の土屋繁裕さんの活動はじつに発想豊かな
勇気ある行為だと僕は思っています。

先月発売された近刊
「ストップ ザ ドクハラ」(扶桑社)という本が
僕のところにも送られてきました。
巻頭には「慈心妙手」と揮毫サインがなされていました。
この言葉がおそらく“土屋少年”が
父上からほどこされた教育の原点なのでしょう。
西洋医学の牙城で育ち、
もちろん病院経営学の洗脳も受けながらも、
いつも患者の命を忘れない…
土屋さんの患者に好かれる明るい性格、
自由な発想の所以は、
ここにあるのだなあといつも思っているわけです。

その「ストップ ザ ドクハラ」をすでに読み、
そうだそうだ、
これから「私も堂々とした態度で病院に行こう」
「医師に質問しよう」
と“医療消費者”としての
決意を新たにした患者や家族も多いと思います。

なにせ、この本、
「400通の手紙やファックスのドクハラ事例をもとに…
ドクハラをバスター(駆逐)するための
『傾向と対策』を考えて見たい」
という主旨で、医療矛盾が現場から告発されているわけです。
検査漬け、薬漬け、まさに「医者が病人を作る」ゼニドクハラ、
「まだ、しまりがいいな」「大きいおっぱいして」などと、
許しがたい暴言を平気で吐く婦人科医のセクドクハラ…
心無い事例に思い当たる読者も多いと思います。

これまで追及タブーとされていた大学病院医療制度の弊害が、
ズバリズバリと分かりやすく明かされているわけですから、
読んだ人はうんうんと頷いたことでしょう。
ではドクハラ医療の「傾向」はわかったが、
肝心の「対策」はどうなのか?
土屋医師はこの本では次のように提案しています。
「医師は患者に学ぶべきです」
「患者がドクハラに対抗できるのは希望です」
まだ読んでない人はぜひ熟読を奨めます。


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2003年7月14日(月)

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