元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第329回
「安心カード」を何枚持っていますか?

拙著「ガン患者よ、ドクハラと闘おう!」という本では、
ガンと上手に付き合うには、大学病院を盲信したり、
「教授は神様です」と無闇に命を預けてはいけませんと
強調してきました。
また西洋医学、東洋医学に限らず、
「いいところ取り」の療法についても積極的にすすめております。
これこそ、新しい患者学となりますから、、
養生のためにもガン予防のためにも読んで見てください。

ガン宣告を受けた人、
そして1年、2年、5年、いや10年と、
ガンと闘っている人は300万人近くいるといわれますが、
それぞれに再発や治療選択の不安を持ちながら、
日々を乗り切っているわけです。
しかし、合併症や転移といった別の部署に症状が移ったとき、
さらに患者はうろたえます。

先日もある乳ガンの女性から、
骨が痛くて転移したのではないかとメールが来ました。
その人の主治医は優秀な放射腺医だそうですが、
治療方針に柔軟性がないようなのですね。
いくら信頼できる医師にしても、
ガンのような複雑な病気に、
たった一つの治療法しか選ばせないとすれば、
これは学説として正しいとか、
正しくないという論議以前に、
患者と家族を不安に落し入れることは間違いありません。

ですから、手術が絶対正しい、
いや抗ガン剤が優れている、いやいや放射線が正しい…
と医学論争しても、医師にとっては有用なのかも知れませんが、
患者の不安をどんどん増すことになりかねません。
ガン闘病が長くなればなるほど、
ひとつの選択肢に縛られることがストレスとなります。
西洋医学を金科玉条とし、東洋医学を無視するのではなく、
治療法のカードは多く持っていた方が、
「得ですよ」と声を大にして申し上げたい。
これが「いいところ取り療法」の賢い考え方なのです。

毎月のように検査と治療を繰り返している人、
ドクハラ治療にいたぶられて、何度も入退院を繰り返す人、
その反対に、もうガン病棟に長居はゴメンだと、
思う存分、海外旅行に出たり、
富士山やアルプスに挑戦して英気を養っている患者もいます。

では、この二つの闘病スタイルの差は
どうして出てくるのでしょうか?
もちろん症状の重い軽い、個人の体質の違い、
さらにストレスに強いか弱いかという気質の違い、
人生観の違い…
こうした要素が闘病のスタイルを変えるのでしょうが、
もうひとつ、大事なことは、
信頼できる医師を何人持っているか?
自分に相性のよい治療法をどれだけ多くもつか?
セカンドオピニオン、いやサードオピニオンを試みたか?
自分の納得できる治療法をいくつ「わがモノ」に出来たか?
ずばり「治療カード」「医師カード」「養生カード」を
何枚多く持っているか?
これが闘病スタイルの違いを生むばかりか、
生死の差も生み出す…と僕は思っています。
治療の選択肢をたくさん持つことは、
患者と家族にとっての「安心料」ともなるものです。
あなたは何枚「元気カード」
いや「安心カード」を持っているでしょうか?


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2003年7月22日(火)

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