元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第387回
頑張れ! 週刊金曜日

「むやみに削って詰めたがる歯科医はドクハラ医師だ」
いま発売中の週刊金曜日のドクハラ告発第5弾では、
冒頭の対談で、安田登さんと岡田弥生さんという
2人の歯科医が
歯科治療の間違った発想に厳しいメスを入れています。

大抵の人が虫歯は「治らない病気だ」
「削って詰めれば治った」と思っているが、
これは間違いだ。
歯の象牙質に虫歯が進行しない前に、
「早期に発見する」
これが正しい歯科医のあり方だという話です。

「入れ歯ごときでガタガタいうのは大人気ない」
「命に別状はないだろう」
歯の治療とは、最も身近な病気であるためなのか、
老若男女を問わず、
患者もちょっと軽く見ているところがありますが、
そうした発想が体全体の健康を損ない、
また金儲けに奔走する悪い医師をのさばらせる元凶だと
強調しているわけです。

日本では歯の予防相談などお金にならないというわけで、
とにかく歯科医の「削る、詰める」治療が先行したようですが、
同じ特集の中で、歯科医の大野純一さんは、
歯科先進国のスウェーデンの例をあげて報告しています。
予防と診察を一体化させた
「虫歯学」(カリオロジ―)の治療システムをとっているので、
こどもの虫歯は激減しているというのです。

僕のように子供のときから、
詰め歯、指し歯、そしていまや部分入れ歯と
ガタガタにされてしまった世代には
もう遅きに失した話だなあと思いながら読みましたが、
しかし、歯は孫子の代には最も大切な治療ですから、
「切捨てご免」のガン手術=臓器切断の問題点と同じ発想で、
日々、付き合っている歯についても、
なるべく自然のままに大事に使っていく…
歯科医のあり方も予防と診療が一体化した
システムをとっていく…
これがまともな発想であり、患者本位の治療でしょう。

週刊金曜日という雑誌は、メディアの中では珍しく、
ドクハラをただの心無い医師のいじめや
言動に限定することなく、
毎回、医療思想や保険医療制度の改革の根本問題として
追及しつづけている雑誌ですから、
患者だけでなく、勉強不足の医師もぜひ読んで貰いたい。
そして、医療制度問題をタブーとすることなく、
ドンドン議論を沸かせてもらいたいと、
僕はいつも応援しています。


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2003年9月18日(木)

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