元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第390回
仰向け出産の犯人はルイ十四世?

産婦人科を巡るドクハラの根源には、
男性優位の医療システムの弊害がある…
この問題を提起しているのは、
アメリカの小児科医・メンデルソン医師です。
この本は「それでも医者にお産をまかせますか?」
(弓場隆・訳 草思社)というタイトルで
日本でも発売されていますので、
興味のある人は読んで見てください。

産婦人科でドクハラや、
ドクセクハラが蔓延する理由がわかるばかりか、
いったい、仰向けの出産が最適なのか?
立ち産やしゃがみ産ではなぜいけないのか?
きっと出産の方法についても
考えさせられることが多いと思います。

この本によると、出産とは本来、
医学とは関係にない自然な生理現象であるにも係わらず、
これを産婆と産婦から奪い取ったのは、
18世紀の「床屋外科医」と呼ばれる
男性の医者たちだという説です。
医師からの細菌感染で母子の死亡率が上がったことを、
産婆は魔女なりとしたり、
高いテーブルに仰向けに寝かせ、
いわゆる仰臥位の分娩体位としたため、
医師の介助なしには産婦は分娩ができなくなったというのです。

とすれば、まさに、
産婦人科の歴史は、
女性を「医師―患者」「男性―女性」という
二重の上下関係に女性を追い込んだといえましょう。
座位から仰臥位に変化した背景には
それなりの科学的な根拠があると想像するだろうが、
何の根拠もないというのが、
著者のメンデルソン医師の見解なのです。
そして、なんと、
産婦を仰向けに寝かせる習慣は、
性的倒錯に陥っていた一人の権力者・
フランス国王・ルイ14世におもねるために
始まったというのですから驚きです。


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2003年9月21日(日)

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