元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第400回
「世のため、人のため」とは?

30代、40代とは違って、
50歳からの財養生とは、
しゃにむにお金に執着するだけでなく、
長い人生のために自分自身に投資する――
また楽しい仲間つくりをする――
世のため人のためにお金を活かす――
自分が納得しながら完結できる、
ゆったりとした人生を送りたいものですね。

大養生の先輩・小石原昭さんの
「悠々対談/この人の気分はいま」という連載に登場した、
大養生いや財養生の達人ゲストをもう一人紹介させてもらいます。
「特養老人ホームはお役所仕事で破綻する」という
凄まじいタイトルのゲストとして登場したのは、
特別養護老人ホーム・土支田創生苑の経営者・岩城祐子さんです。
この長寿難病社会に少しでも親身になって安く介護をしようと、
この対談でもポンポンと
老人ホーム認可のお役所規準が
じつに実態にそぐわないかを糾弾しています。
じつに小気味のよい奔放な人生を送る80歳なのです。

たとえば、特別養護老人ホームは、
● 入居老人一人当たり10坪ないと認可されない
● 使わない会議室も3つ作らないと認可されない
● 防火避難のため廊下は幅3メートルにしないと認可されない
● 広い風呂場に個人用のバスタブを並べないと認可されない
● お通夜用の部屋は作ってはいけない
こうした役人が決めたムダの上に介護施設ができ上がっていると
猛然と怒るのですね。

小石原 (一般の老人ホームが一人1ヶ月)
     十四万五千円で(経営)できるのに、
     なんで七十万円以上もかかるんですか。

岩城  無駄な人件費が高いんです。
     みんなから集めた介護保険料を関係する役所や、
     役所が指定する特殊法人(略)に払ってしまうから、
     老人のために実際に使うお金は2割いくか、
     いかないかです。

     さらに実態にそぐわないのは、
     部屋にカギはつけられない規則なので、
     痴呆の男性がおばあさんのベッドに忍び込む、
     とんでもない事態もママあるというのですから大変です。

小石原 そのおじいさんをどうやって引き離すのですか。

岩城  「私と今晩寝ない」とか言って、引っ張ってくる。
     簡単ですよ(笑)。

80歳を超えても、ますます意気盛ん。
正論を正論として貫く、
しなやかな経営感覚にはまったく頭が下がります。
だだっ広くて無駄な病院スペースを
また、無料で地元のボランティアに貸したり、
屋上も小学生のための自然教室に開放しているそうです。
この長寿時代には工夫すべきこと、
改善すべきことがまだまだたくさんあるわけですね。

人生後半の生き方とは信念と正論を貫く工夫が大切です。
こうした「世のため人のため」の積み重ねなのだと思いました。
これからは50歳以上が5000万人の長寿時代です。
漫然とボケたり、大往生を夢見ていてはいけません。
世の中に役立つためにも、さらに己を磨く大養生が欠かせません。


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2003年10月1日(水)

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