元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第399回
50歳からの「財養生」

「長生きも芸のうち」と養生まで楽しんでいる
小石原昭さん(76)と帯津医師(67)の
人生含蓄対談の続きです。

「生き方が病気克服のもとだ」
「前向きな心構えがピンチをチャンスに変える」
という、生き方談義があちこちで盛んですが、
「無理に明るく前向きを装っても人生の養生はうまくいかない」
「人間は哀しくて寂しいもの」と思えば病気も治るし、
希望もむくむくと湧いてくるという話です

小石原 自然治癒力を高める日常のライフスタイルについて、
      先生のお薦めや注意点をお話下さい。

帯津  心の問題がいちばんだと思うのですが(略)
     明るく前向きにというのは、
     人間の世を忍ぶ仮りの姿なんだということに
     気がつきました。
     病状のデータがよくなりました(略)と伝えるだけで、
     誰でもが明るく前向きになる。

小石原 でも、悪くなっていく人もいますね。

帯津   明るく前向きは無理だと思いました。
      そして、人間は哀しくて寂しいものだと結論したんです。
      (略)
      ですから患者さんにも
      「人間は哀しくて寂しいものなんだから、
      それより下はもうないから、
      その大地から未来に向かって
      生甲斐の大木をたてたらいい」と言うんです。
      けれども、大袈裟じゃなくていいんです。
      要はそれを育てていくことが大事じゃないでしょうか。

なるほど。心の養生の設計図を描いたら、
生甲斐作りの工夫もプロセスも、
大いに楽しみながら養生が出来ればしシメたものだというのです。

では、誰でもそんなに上手くいくのでしょうか?
この対談には、大企業の経営者から、
医者や学者や作家まで
人生の豪快な達人たちがたくさん登場するのですが、
「50代からの老い方上手」というタイトルで登場した
健康学者の佐藤富雄さん(70歳)の話が
これまた帯津養生論を地で行くように痛快なので、
こちらも紹介しておきましょう。
まさに生甲斐の“設計から施工”まで、
人生の養生を楽しみまくっているような行き方なのです。

43歳で若い美人の奥さんを貰い、
50歳を機に、
幼い子供のためにも健康作りに励む人生に転換したそうです。
人生にツキを呼ぶ秘訣がふたつあるというのですね。
「朝3時半に起き(略)、40分ジョギングし、
百から自分の年齢引いた数だけ四股を踏み、
7時半ごろ味噌汁だけ。
一日一食主義で夕食はたくさんたべて、夜は8時半に寝ます」
ジョギングは快楽ホルモンのド―パミンを出すので、
このあとに一日の計を立てるとツキを呼ぶそうです。

もう一つ人生にツキを呼ぶ秘訣は
「前向きな口癖で生きていくこと」だそうです。
若いときから労働を厭わず、実業家として暮らし、
貴族趣味を貫きたいと口癖にしていたら、
元気な肉体を維持しながら、
事業の夢を次々と実現できたというのですから、
まさに「養生の合間に仕事をする」
「長生きも芸のうち」を実践した財養生の達人でしょう。


←前回記事へ

2003年9月30日(火)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ