元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第414回
ガンを相談できる医師がいない

ガン専門医が少ない…これが問題だという
土屋医師と対論した話の続きです。

関根 ガン全体を見る腫瘍専門医が日本には少ない、
    ガンについて総合判断できる医師が少ない…
    だから患者はみんな困っています。
    外科医も放射線医も、それぞれが「俺が一番」といって、
    派閥争いみたいなことをいう。
    再発しても、それぞれが切ったり、焼いたり、
    抗ガン剤で叩いたりを繰り返す。
    患者がいろいろと他の治療の選択肢を相談しようにも、
    総合的に相談できる医師がいない。

土屋 僕は相談には2時間、3時間かけます。
    分子標的治療、休眠療法も奨めています。
    患者が天仙液を験して見たい、
    食事療法もやってみたいといえば、
    体質改善のために応援します。

関根 いまの大学病医院じゃ、代替治療などトンでもない
    という医師ばかりですから、
    患者の方は、食事療法をやってます、
    たとえば天仙液も飲んでいますとは相談できない。
    栄養学も漢方も勉強していないから、
    頭ごなしに証明性のないまやかしです・・などと無視する。

土屋 それも辛いよね。
    患者さんが自分でお金だしていろいろやって何が悪いのだ、
    毒を飲んでいるわけじゃないんだからね。

関根 ところで、これから腫瘍専門医は増えるのですか?

土屋 難しいですね。
    大きな病院では人を診ないで
    データしか見ない医師が増えているからです。
    患者をデータを出すための実験台、としか見なくなる。
    そういうことを堂々と言ってしまう。 
    情がないのです。
    その情のなさがドクハラに通じてくるのです。

    外科の若い先生がぶっきらぼうに、
    手術して全部取るしかない、
    今予約すれば一カ月半後に手術、それでおわり……。
    話などロクに聞いてくれない。
    子どもがいるのに大変だよねとか、
    お風呂に入るのも大変だよね、
    とかそういう一言をかけるだけでも
    患者さんは救われるはずです。

    僕の診療所に来て泣き出す人けっこういますよ。
    ほっとして泣き出しちゃうんですよ。
    それとか、今までずっと厳しいことしか
    言われてこなかったのか、
    ここ一カ月ではじめて希望のある話を聞いたとかね。

関根 アメリカのオンコロジストは
    抗ガン剤治療をベースにした医師なのですか?

土屋 そうですね。
    ただ僕がいっている意味とちょっと違います。
    抗ガン剤専門の腫瘍内科医
    (メディカル・オンコロジスト)ではなく、
    ガン全体を総合判断できる臨床腫瘍科医
    (クリニカル・オンコロジスト)を
    作るべきだといっているわけです。


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2003年10月15日(水)

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