元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第432回
900頁の大作を書いたガン生還者

「気が付けばあなたもガン」という惨状が、
周囲に迫っているといっても、
ガンの猛威を上手に避けて、
5年、10年と元気に延命している患者も大勢います。

よく病院では5年生存率というモノサシで治療の成果を測ります。
まあ、発病後、5年たって延命していれば、
ガンに克ったというか、ガンをなだめすかしたといった、
命のライセンスを貰える事になります。

いま、5年生存の患者が日本には
170万人いるといわれますが、
はたして、このうち、再発も転移も、合併症もなく、
元気で過ごしている人はどれほどいるでしょうか?
この非再発・非転移で5年生存した患者は
「5年健存者」とも呼ばれますが、
なんとしても元気で健存率のクリアを目指すこと、
退院後は、日頃の養生に心して過ごすことが大切だと思います。
5年間、再発や再入院、再手術を繰り返し、
心身の疼痛の中で苦しみ、
ついには命を落としたのでは人生がめちゃめちゃです。

幸運にも手術が上手くいったとしても、
薬を飲みまくるだけでなく、
食事療法でも、呼吸法でも、
漢方療法、笑い療法、音楽療法でも、好きな療法を併用して、
ガンに負けない体質作りを怠ってはなりません。
ガンは日々のライフスタイルの堕落と油断が大敵です。
ですから、上手く健存している同輩、先輩を見ていると、
大抵が、ストレスを溜めないタイプ、
そして、なるべく自然な食事やライフスタイルを
取り入れたタイプが多いように思います。

僕のジャーナリズムの先輩で、
大腸ガンを手術して見事に生還。
もう6年も元気で活躍している
出版評論家の塩沢実信さんがおられます。
塩澤さんと僕はガン友ですが、
「梅干し健康友だち」でもあります。
故郷・信州飯田の実家から
手作り、無農薬の梅干が届くと必ず電話がかかってきます。
先日も、3袋の梅干を貰いに事務所に伺ったのですが、
ガンどころか顔色ツヤツヤ。
「この11月に、900ページの
『出版社大全』(論創社)という本を出すんだよ」
とまるで大事典のような見本刷りをみせてくれました。

原稿用紙2000枚の大著を書き下ろす健存力には脱帽します。
ガンだというのに凄いパワーです。
塩澤さんも退院後、
すでに10冊も本を出版しているツワモノですが、
いつも遊びに行くと前向きで「元気のパワー」が貰えます。

ガンは生還者に学ぶ、養生上手と付き合う…
このネットワーク作り、ライフライン作りが大切です。
別にガンに限らないと思います。
素直に前向きな人と付き合う――
これ商売のヒケツでもありますね。


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2003年11月2日(日)

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